英語を教えている人が必ずしも「最初から英語ができた」わけではない。
むしろ、「誰よりも失敗」を重ねてきた人のほうが多いかもしれない、と思っている
私もその1人だ。
英検1級は、その語彙の難しさに、なかなか合格しなかった。
合格したのは、アメリカで大学院を出て帰国して、そして一応
問題集を解いて準備してからである。
大学を卒業して結婚するまでの半年の間、実家から通訳学校に通っていた。
その時に英検1級の一次試験に合格したのだが
ものの見事に二次試験で 不合格になった。
当時の英検1級の二次試験は、グループ面接だった。会場である学校の教室に
15名程度が集められ、 コの字型に並べられた机の周りに座って
スピーチの順番を待つ。
暑い日だったので部屋のクーラーはガンガンに効いていた。
そのクーラーは、私が座ってる席の真後ろにあり、
冷風が私の背中に吹きつけた。
若かったけれど、さすがに冷やされすぎてトイレにいきたくなり、
つい、手をあげて「トイレに行きたい」と。
試験官は「先に済ませておけ」という態度で渋々承知した。
いや、済ませていたけれど、冷房の直撃に耐えられなかったのだ。
今なら「冷房が当たらないところに行きたい」とまずいうべきだったと
おもうのだけれど、「指定席」だったので席の変更を訴えることを
我慢してしまった。
もう、そんな状態で、しかも「英語をしゃべること」に(通訳学校に
行っていても)全く自信がなかったので、トイレ事件がなくても
落ちていただろうけど、もう、1分間のスピーチ時間のうち
10秒程度話をしただけであとは沈黙で立ちん坊。
いまだに思い出に残る不合格経験です。