通訳仲間と一緒に小さい会社を作って仕事をしようと思ったことがあります。1983年ごろの話です。
通訳者派遣サービスですが まぁなかなか仲間内で仕事を始めるのは大変でした。
通訳の中身は覚えていないのですが、待ち合わせ場所が当時できたばかりの有名どころ、名建築家・丹下健三氏が設計した「赤坂プリンス」でした。クライアントさんにホテルの設計者は「人間国宝の丹下健三さんです」(これは間違いで、文化勲章の受章者だったのですが)と説明しようとして思わず”He is a Human Tragedy”(「彼は人間悲劇です」)と言ってしまったのです。
慌てて、Human Treasureと言い直しましたが(まあ、何から何まで間違っていたのですが)めちゃくちゃ恥ずかしかったことを覚えています。
それから約10年後、家族でニューヨークに赴任し、子供たちは現地校に通っていたのですが、その学校にいた先生がお一人、退職することになった時の話です。送別会で校長先生が送別の挨拶の際に、「彼女はまさにhuman tragedy」でした、と発言されたのです。そして、あわてて、human treadureと言い直しました。
おお、なんと、私はネイティブ級の間違いをしていたのか!と妙に嬉しくなったのでした。このように、頭韻を含む単語はネイティブの人も言い間違えたりするのですね。
まさに英語(外国語)は、間違えて、使って、恥をかきながら覚えていくものですね。