すっかり涼しく(寒く?)なり、マラソンシーズン2016-2017が始まりました。
初フルマラソン、申し込んだものの、あるいは東京マラソン、
当選したものの「いったいどんな練習をどこまでやれば完走できるのか?」
と不安に思っているあなたに53歳で走り始め、
54歳で初フルマラソンを完走した私のトレーニング方法をご紹介します。
1. たったひとつのルールとは?
東京マラソン2017は2月26日開催。
その他にも今シーズン終盤(私は3月に静岡マラソン)に
挑戦しようとしている初心者の方。
東京マラソンまでまだ時間あります!
3か月トレーニングすればフルマラソンを走りきる「足」ができます!
その「足」を作るたったひとつのルール
それは、トレーニングの頻度です。
三日以上あけないこと
これだけです!
私がよく聞かれる質問は「毎日走っているのですか?」
いえいえ、そんなに毎日練習できません。
でも、完走を目指すのなら、せめて大会までの3か月は上のルールを
「最大で最低限」にしましょう。
月水金でも土日・水でもいいです。
そして時間がとりにくい平日などはたった1キロでも、0.8キロでもいいです!
ルールはそれだけです。
それだけで完走する足ができます。
初心者だった私が3年前に実行したのはそのたったひとつのルールです。
2. 練習メニュー公開
3年前の2013年9月、初めてできたラン仲間と「なんちゃって」応募した
「東京マラソン」に当選。
当選しただけで「おめでとう」と言われる、あの東京マラソンに
2度目の応募で当たってしまいました。
それまでの自分は月に25キロほど走るのがやっと。
1回の走行距離は最長4キロ(駒沢公園ランニングコース2周)でした。
1キロ8分かかっていました。
あわてて、友人になって間もないラン仲間の「ふぉとりん」さん
(マラソンサブスリーランナー)に
「私専用」メニューを作ってもらいました。
そのプログラムを一挙公開します。
もとのデータはエクセルでもらいました。
細かな注意書きもしてくれました。
メニューをもらったときも、そして振り返って読み返しても
とても重要な言葉ばかりです。
どのようになっているかというと、
エクセルの左から
- 日付、本番までの日数、週数、トレーニングメニューとなっています。
- 右のメモは、目的と練習内容です。
エクセルのメニュー、一枚目は「準備期」です。
「準備期の練習内容」(エクセルの内容を書いておきます)
目的:週3回以上。最大で6回までのランニングの習慣づけ。
ランニングの習慣がない、または回数が少ない方がすぐに
本格的な練習に臨むと挫折することが多いです。
三日坊主ですね。
まずはランニングしないと気持ち悪いなーというぐらいまでに
習慣化するまでは気楽に走りましょう。
練習内容
5キロからはじめて週に1キロずつ距離を延ばしていきます。
週3日以上練習してください。
ペースは自分が快適に思うペース。遅すぎず、
早すぎず、きもちいいなというペース。
これを快調走といいます。
3日以上あけないこと。
時間がとれない日は1キロでいいから走ること。
完璧主義ではなく、最善主義でいきましょう!
本番までの20週 1回のラン距離は5キロ。
週3回以上、1回5キロから始まり、週が進むごとに1回のラン距離が1キロずつ増えていきます。
このブログを読んでくださっているあなたなら、11月時点、
私はまだ10キロも走れていないランナーだったと
おわかりいただけるかと思います。
さて、エクセル表が2枚目に移ります。
次は、基礎的走り込み期になっています。
本番まで14週になりました。
「基礎的走り込み期の練習内容」
目的:習慣化したランニングをマラソンに耐えられる体にする
ための土台を作る期間です。
具体的にはスタミナをつける時期。
ポイント練習はLSDを主にします。
練習内容:ゆるらん 7:00〜8:00/キロメートル
のんびり走って、疲れを抜くことが目的です。
また筋力が低下しないようにつなぎ練習の意味もあります。
JOG:自分が快適と思うスピードで走ってください。遅すぎず、
速すぎず、です。
LSD:ゆっくり長く走るトレーニングです。
毛細血管を拡張します。体のインフラ整備ですね。
長時間動くために体の隅々まで酸素が行き渡るように体を
長距離型の体にします。
また筋持久力を上げる効果もあります。
ゆっくり走るためストライドが小さく、歩数が多くなります。
その結果体重がかかっている時間が早く走るより多くなります。
長距離走るために必要な筋持久力をあげるには
効果がある走り方です。
徐々に走る時間を延ばしていきます。
最終的には2.5時間走れるようにしましょう。
こんな感じです。
JOG 60分➡️ゆるラン1時間➡️LSD 90分以上 翌週にはLSDを15分長く、
その次の週はさらに15分長く。目標はLSD2.5時間です。
ここまできて、「無理!」と思った方いますか?
私はまったくの初心者でしたが、1週ごとに少しずつ
距離と時間を延ばしていくこの練習は、それほど苦痛ではなく、
むしろ、「先週ここまでできたのだから、あと15分ぐらい大丈夫」
という気でむしろ余裕をもって走ることができるようになりました。
走り込み期は11月半ばから。あなたもまだ間に合います!
身体を作っていきましょう。
さて、次はエクセルの練習メニュー3枚目になります。「仕上げ期」です。
「仕上げ期の練習内容」
目的:この時期からレースを意識した体にしていきます。
基礎的走り込み期で長時間動けるスタミナはついてきてるため、
スピードを上げます。
といっても完走が目的のためスピード練習まではしません。
週末の低速ロング走かLSDが主な練習になります。
低速ロング走をメインでやってほしいですが、飽きたらたまには
LSDをいれるのもいいです。
距離をハーフまで徐々にのばしていきます。
ハーフまで休まず走れるようになれば、フルはあるかず
完走できるようになります。
練習内容:低速ロング走ペース6:30/キロ
1週ずつ距離を延ばしていく。目標21キロ
仕上げ期から最期の調整期まで。
本番直前の週の練習はレース前の疲れを抜く時期です。
「調整期の練習内容」
目的:レース前の疲れを抜く時期。 週半ば水曜日に実際のレースペースで10キロ走ります。 体に刺激を与えます。 レースペースはどのぐらいがいいか、最後のあたりに決めます。 それ以外はゆるゆる体を動かして、 睡眠をしっかりとって体を休めます。
いかがですか?
最初5キロから始めてハーフまで走れる身体をつくる。
でも練習では42キロ走る必要はないですよ!疲れてしまいますから。
(むしろ疲れてしまうことがマイナスになります)
42キロの旅は本番にとっておきましょう。
3. 実際の練習結果公開
さて、プログラムを作ってもらっても実行しなければ意味ありません。
私は毎日、このプログラムを持ち歩き、練習内容を簡単に記録していきました。
記入するのは、走った日、走った距離と時間。走った場所です。
ところで、下に掲示した練習メニューの1枚目は
ふぉとりんコーチに書いてもらった目標。
具体的ですね。
最大目標はサブ5(4時間台) 最小目標は初フル完走。
21キロ走れるようになれば、フルの完走はできる。これを練習の目標にします!
次のページからは、上で紹介した練習メニューへの書き込み。
まず、練習を始めてから6週間は準備期。(10月〜11月半ば)
走る習慣を作る時期です。日付に○をつけたところが練習日。
右の箱ひとつが1週間です。6個あるので、走る習慣をつけるために6週間かけた、ということですね。
練習を始めた10月で月間走行距離が100キロを超え、その頃、久しぶりにあった友人に
「大野さん、身体が締まったね」と言われました。
その方は私が走っていることも何も知りませんでしたが、たったひと月で身体に変化がでていた!のです。
そして下の2枚目。
次の4週間は「基礎的走り込み期」。
習慣化したランニングをマラソンに耐えられる身体にするための土台を作る期間です。
スタミナをつける時期です。
ロングスローディスタンス(LSD)中心の練習をします。
こうして「身体のインフラ整備」をし、長時間動けるよう、
身体の隅々まで酸素が行き渡る長距離型の身体にしていくのです。
この頃には10キロ走るのが当たり前になっています。
順調に週3回ぐらい走っていますね。
箱が4つなので、4週間。
11月半ば頃からは普通に1時間走れる(10キロ)ようになり、
距離あるいは走る時間を伸ばしていって
12月半ばにはすでに2時間以上走れるようになっています。
次は仕上げ期です。
レースを意識した体にして行きます。
この頃になると、ついに3時間走り続けることができるようになっていますね。
年が明けて1月には「峠走」と言われる山を走る練習をしました。
上の練習メニューに「赤字」で書いています。
峠走はすごく力がつくそうです。
峠走についてはこちらの本に詳しく書かれています
➡️ 非常識マラソンメソッド ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヵ月で3時間13分! (ソフトバンク新書)
上りでスタミナがつき、下りで走力がつくそうです。
仕上げ期で長く走る自信がついてきました。
2月初旬には30キロ走ができ、これで完走できる、と確信しました。
ところで、この頃は雪も降り、ホームである駒沢公園を
走ることができない時期もありました。
そんな日はジムでトレッドミル。とにかく、ランとランの間を空けない!を守りました。
この基本を守っただけで当日は目標の最大達成である5時間切りを達成しました。
ネットタイムは4時間38分40秒。
初マラソンにしては上出来です。
4. 最初に揃えるべきグッズ
ランニング初心者として、何から始めたらいいか
わからなかったため、こうしたグッズについても
ふぉとりんコーチに教えてもらいました。
コーチのおススメで揃えたものばかりです。
【ソックス購入】
「5足ぐらい試してマメのできにくいのが、これでした。」by ふぉとりんコーチ
できたらシューズ計測前に購入してそれを履いて測って下さい。
私も3年前に買った物がいまだに使えます
(当時2000円ぐらい。今2800円みたいです)
丈夫でマメができにくいです。
走る時はもう、必ずこれ!というほどヘビーユーザーです。
当時3足買って、いまだに使っています。
エックスソックス(X-SOCKS) MARATHON X020385 メンズ ホワイト L(26.5~28.0cm)
【シューズ】 ゲルフェザーというシューズがお勧めです。
これが東京マラソンのときのシューズ!
中級者モデルなんですが、軽くてショックも吸収するから初心者が履いても大丈夫です。
LADY GELFEATHER® GLIDE ■中足部の接地面積が広く、スムーズな体重移動を促す意匠の フラットソールを採用し、安定した走行をサポート。 ■ミッドソールは2ピース構造で、足に近い部分にSpEVAを搭載。 足裏のやわらかな接地感と路面を捉える反発性を実現。 ■アッパー中足部に2本ラインの補強を入れることで、 ホールド性が向上。 ■長時間の走行でも土踏まず部の低下を防ぐアーチサスティン構造を採用。 asics.co.jpより
初東京マラソン(アイキャッチ画像)のときのゲルフェザー(本番レースには10キロぐらい走ってから使います)
ショップがすすめる初級者モデルは重たく、
踵が高いため膝や足の故障を誘発しやすいです。
男性用と女性用がありますが、サイズの違いだけで機能は一緒です。
足幅が広いWIDEモデルは男性用にしかありません。
今期は、以下のアクアブルーを購入!
[アシックス] asics ランニングシューズ LADYGELFEATHERGLIDE4 TJR555 7839 (アクアブルー/アクア/25.5)
ところで、最初にシューズを決める時は、サイズをしっかり測りたいため
アシックスストアで買って下さい。(定価になっちゃいます。)
こちらがアシックスストアのHP ➡️ アシックスストア
ここでやっている計測サービスを利用してください。無料です。
シューズはゲルフェザーが欲しいって伝えて、
サイズだけ3次元計測器で測りたいといえばOKです。
あと2000円払うとフォームのくせも診断してくれます。(予約が必要かも)
http://www.asics.co.jp/running/measure-service
【マメ防止クリーム】
このクリームを塗っておくとマメができません。
練習で長めに走る時や大会では必須です。
Protect S1 スポーツ摩擦皮膚保護クリーム 60ml
揺れにくいボトルポーチ☆ユレニクイ-YURENIKUI ランナーの要望から生まれたランニング・ジョギング用の給水ボトル。 快適に水分補給したい人におすすめ。 カラダにフィットして揺れや重さが気にならない、 軽量ウエストポーチ一体型の商品です。
こちらも3年経った今も使っているものです。
【ランニング時計(GPS時計)】
ペースを計るのに、私はiPhoneとラン時計を併用しています。
今使っているのは、Soma。ランニング時計は本当に色々種類があって、どれ、と言えませんが、
こどもたちからプレゼントにもらったこちらは操作性もよく、
お値段も手頃なので気に入っています。
2016年10月30日に富山マラソンを走った時の記録。
時計とPCを充電コードでつなぐと、
データが自動的にPCにダウンロード(アプリをHPからダウンロードしておきます)されます。
左には走った日のカレンダー。カレンダーをクリックすると、
走った記録(地図と平均速度などのサマリー、ペースのグラフ)が以下のように表示されます。
初めて買う人には操作も簡単でお手頃だと思います!(私でも操作できるので)
ソーマ(SOMA) GlobalONE(グローバルワン)(ブラック/ゴールド) DYK39-0003
5. まとめ
初マラソンの感動を忘れず、いつの間にか4シーズン目を迎えました。
今期はすでに7回目のマラソン、富山マラソンを完走しました。
今期、初マラソンに挑戦するというあなたに
完走の喜びを味わってもらいたい、という気持ちで
「マラソン初心者トレーニングのコツ」を書きました。
ルールはたったひとつ。3日空けない。
たった5キロから始まった私のマラソントレーニング。
このルールを守るだけで3か月で20キロ走れるようになります。
そして20キロ練習で走れるならば本番でフルマラソンを走る力はついたということ。
今からでも間に合います!どこかであなたとお会いできますように。楽しみにしています!
なお、峠走のところでもご紹介した以下の本、
岩本能史さんの本は、本番の心構えやレース中に補給すべきものを紹介していて貴重な情報が満載です。
ご一読をオススメします(私は本番前1か月ぐらいに何度も読み返しています)