「あなたと一緒にいる意味が見出せない」と、ある日突然妻から「熟年離婚」を宣告されないために夫がしておくべきこと

黒川伊保子著  Love Brain

ブックレビューです。

あまりに面白く、2日続けて2回(1日1回)読んでしまいました。本書は2003年に書かれていますが、同年、筆者黒川伊保子氏は、株式会社感性リサーチを設立。脳科学の成果をビジネスに活かす会社として独自の感性理論を活用してマーケティングに役立てています。

本書では、「男性脳」と「女性脳」の違いからどのようなすれ違いがおこっているか、をわかりやすく解説します。そして、お互いが相手の「脳の仕組み」を知ることで、どうやったら女房は「機嫌よく」、亭主は「のほほんと」していられるか、という方法を教えてくれます。

最初に、これってホント、すごい指摘だわ!と思った部分は、次の文です。

「男は、女から定型の質問をうけているうちは、惚れられていると思って間違いない。」p.10

「愛してる?」「もう飽きたんじゃない?」…よく、女性は夫とか、恋人に聞きますよね?そんなとき、男は、間違っても「君は?」と質問返しをしてはいけません。女性がそのような定型の質問をするときは、まだ「あなたに気がある証拠」なのです。あなたは質問返しをすることで、女性の気分を害することはあっても、何も得るものはありません。自分がいかに「愛しているか」を答えることに専念したほうがいいのです。

黒川先生は、こう言います。「女はこの命題を常に真剣に考えているので、その状況いかんではその場で、昔の男たちと比較分析しだすかもしれない。」そう、「質問返し」などをして、女性に色々考えるきっかけを与えている場合ではないのです!

「ことばを与えるのを男が面倒くさがると、そのうち、女も何も云わなくなってしまう。そうなると、何となくこの男がどうでもよくなってくる。」p.11 –こういう結果が待っています。

女にとって「ことばの飴玉が欲しい時は、別に男の真意などどうでもいい」のです。だから、「コトを荒立てたくない」ときほど、即座に「あいしてる」と答えた方がいいようです。

黒川先生は、こうアドバイスします。「自分の恋人のおねだりに辟易するなら、先に飴玉をあげればいいのである。…愛してるが恥ずかしかったらありがとうで十分なのだから。」

黒川先生は、こうも続けます。「女は、ことばをあげるのも愛の行為だと思っている。…家に帰って女房が、今日の取り留めもない出来事を愚痴交じりで語りだしたら、うんざりしている場合じゃない。女房が今日も自分を愛してくれていることに感謝しよう。」

そう。私だって、どうでもいい人に愚痴を聞いてもらおう、なんて思いません。だから、この文章を読んでいるあなたがもし男性だったら、女房であれ、恋人であれ、ある日突然あなたに愚痴を言わなくなったら、それは、もうすでにあなたに見切りをつけている、というサインなのかもしれません。そうした不満が溜まりたまって「閾値」に達すると、冒頭のことば、「あなたと一緒にいる意味」がなくなってしまうのです!

「(男は)最初に一生好き、と定義したら、一生有効だと思っているのである。女にとって、一生愛する、という約束は、一生「愛してる」と言い続けるという、お約束だ。サボっちゃダメ。」p17 と、黒川先生が叱咤します。

「男は、一生使える言葉を、惚れた女に与えるといい。女は言葉で癒される動物だ幾度もおもいだしては、男への愛を追体験してくれる。」

ああ、これ本当。私だって、「ありがとう」の一言で、ほいほい彼のために働いちゃうし、それがないときは、溜めに溜めた不満が「閾値」に達して爆発します。

一方、男だけの努力ではいけません。女のほうも、男が以下のような状態になったときの対応を考えておおきましょう。

「毎日のようにメールをくれて、あんなに一生懸命だった彼が、仕事に没頭して私をわすれている。…会ってもイライラすることばかり…こんなとき、彼は私に飽きたのかしらなどと思う必要はないのである。『本当にもう、私のことが好きなんだから。こんなに油断して、おバカさんね』」と思うのです。

そして、「こんなときほど、1人で楽しめるなにかを探して、上機嫌で過ごしておこう。」p.34 と黒川先生は説きます。

うん、そうなのね。私自身、確かに「どんなに忙しくてもメールの一本、電話の一本ぐらいできるでしょう」とか思ってイライラしていました。でも、黒川先生に言わせると、男って不器用だから、同時進行でいろんなことができないようなのです。ああ、知らなかった!!!勝手にイライラしてバカらしかった!

そして、もう1つすごく大事なポイント!

「女の会話のコツは、いかに喋るかではなくて、いかに黙るか、にある。」p53

「女は気持ちを晒して愛の行為としている。おしゃべりは好意の証、男をリラックスさせるサービスのつもりなのだ。一方、男は、その気持ち語りに相槌を要求されるのが何より億劫。女の上機嫌な沈黙をもって最上の愛とする。」p.145  ああ、知らなかった!!そうだったのねー。最上のサービスは「沈黙」だったとは!!! 私って、「話題がなくなるのは相手に対して失礼」とか思っていました…

こうしたお互いのすれ違い、脳の仕組みを理解していないと、

「あなたと一緒にいる意味が見出せない」になってしまうのですね。

でも、「男は、一緒にいる意味なんか考えたことがない。…『一緒にいる意味がない』は理解不能なのだ。」そうです。

そう、最後まですれ違いでお別れがきてしまうのです。そうして、悲劇は永遠に繰り返されます。だって、そもそも発想が違うのだから、たとえ再婚しようが、再び恋に陥ろうが、男と女が互いの理解に達することはありません。

この本を読んで、私はすっごく気持ちが楽になりました。なーんだ、男って単に不器用なだけだったんだって。でも、男子諸君!!「あいしてる」がハードル高くても、せめて「ありがとう」をたとえ「古女房」であれ、言ってあげてください。たった一言で、その「見返り」の大きさに驚くこと、間違いない、と私は断言できます!!!

広告

この記事を書いた人

アバター画像

大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)