毎日が特別な日ー清美の1日遅れ日記(13) ベルリン7日目2022年9月9日(金)ドーハ(までの)悲劇

アナログvsデジタル 夫婦の溝?

 

基本アナログの夫と旅行すると、結構ストレスが溜まることがある。
ベルリンの交通網はかなり充実していて、
バス、地下鉄、トラム、地上電車が素晴らしいネットワークを構成している。
だから一つの目的地に行くにも、アプリを起動すると、
幾つもの候補が出て、しかも刻刻変わる。
お昼には空港に向かいたかったので、移動は出来るだけ短時間で、
と思い、Googleマップや、ベルリン専用のアクセスアプリを
わたしは使おうとするのだけど、夫は地図と路線図なのだ。
しかも、乗り換えのたびにいちいち調べる。
私がアプリを見てこっちの方が早い、と指摘すると不機嫌になる。
自分の方向感覚に自信を持っている。
方向音痴のわたしは、あまり自信を持ってこっち、と言えないから、
結局は従ってしまうのだけど。
でも、バスに乗った方が早い場所でも、歩く。
私はマラソン、夫は学会、とあまり観光できなかったので
最終日の午前中だけが観光の日。
夫はティーアガルテン(ベルリンの中心部にある
210ヘクタールの公園)の「戦勝記念塔」の上に立つ
「黄金の女神像」を見に行きたいという。
ティーアガルテンは、もともとブランデンブルグの選帝侯の
狩猟場だったが、18世紀の始め、狩りを好まないフリードリヒ大王が
市民のための公園として整備させたという。
昼間ならば像の中に入って上までいけるらしい。それもおもしろい。
像の上までは、階段。
途中から眺めた景色と、上からの景色。
なかなかゾクゾクする。
次に行ったのがシャルロッテンベルグ宮殿。
火曜日に行こうと思っていて、時間切れで行けなかったのでぜひ行きたかった。
が、地下鉄とバスの乗り継ぎ、そして、夫のアナログ案内(路線図だけが頼り)
のために、アプリに紹介されたバスなどを使わず行ったため思わぬ時間が
かかり、本当に駆け足になってしまった。楽しみにしていたのに…
やっぱりさー、時間がない時はツールを使おうよ…

空港でSOS?

出発3時間前の13時過ぎには空港に着く。
チェックインに並ぼうとすると、
夫が「しまった、ワクチン接種証明書をスーツケースに入れていた」と、
荷解き。
その間にチェックインの列は長くなり、しかも一人一人にかかる時間が長い。
1時間は並んで、やっとのことで順番が回ってきた。
そこで、係員に「My SOS は用意しているか?」と言われる
それがないと日本に入国できない、と係の人は言う。
でも、私たちは区役所で正式に発行した接種証明書を持っている。
いや、そもそもそれなんだっけ?
いやいや、「必要だから」、と言うので、その場でダウンロードするも、
通信速度がやたら遅く、しかもアナログの夫はアプリすら見つけられない。
結局、ゲートが閉まるから、「とにかく成田に着くまでに
MySOSで必要なQRコードを取得しておけ」と言われる。
なんだ、それならここで私たちを留め置かなくてもいいではないか。
貴重な出発時間を、空港係員とのやりとりで費やしてしまった。
次に、セキュリティの長蛇の列に巻き込まれる。
あまりに進まなくて、係の人に飛行機の時間を示して
ショートカットさせてもらう。
キュリティを通過すると免税ゾーンは駆け足。
出国検索の列では、カタール空港の係員が「ドーハ!」と叫び、
ドーハ行きの乗客の最終案内が迫っていることを知らせる。
ここでもショートカットさせてもらう。
飛行機は満席。汗だくになりながら、何とか間に合った。
↓これが、噂のSOSである。

ドーハまでの悪夢

 

満席ということで、夫とは席が離れ離れで、しかも三列席の真ん中。
左隣のおじさんが、肘掛けを占拠して、はみ出してくる。
うぅ〜、5時間の我慢か〜。
朝、6時に少しの朝ごはんを食べてから全く何も食べていない。
空港でゆっくり昼ごはん食べるつもりだったのに。
出発は4時10分。5時ぐらいにプレッツェルが出たけど、
とにかくお腹が空いている。
7時ごろになって、食事の提供が始まる。
隣のおじさんが、提供された食事をかきこむ。
でも、わたしにはご飯が出て来ない。
待てど暮せど、出て来ない。
わたしの前の席、両隣、すでに食後のコーヒーが始まっている。
わたしの右隣のお姉さんが、自分の食事が提供されたときに、
客室乗務員の方に声をかけてくれたけど、「わかってる、わかってる」と、
いなされてしまった。
その後は、乗務員ボタンを押せども押せども誰も来ない。
食後の飲み物の提供に追われているのだ。
いや、だから、わたし、まだ食べてもいないから。
そして、ついに他のお客さんの食器の回収が始まってしまった!
やはり、わかっている、という態度は、わかっていなかったのだ!
すでに8時。14時間の断食は、体にはいいかも、
だけど飛行機の中で飢えるのは悲しすぎる。
ついに、excuse me! と声をかける。
要するに真ん中席なので、両列のパーサーがお互いに、
「あっちの係がやるから」ということでスキップされていただけ。
そのあとは平謝りされたけど、まあ、食事は提供されて、ドーハで飢え死にしなくて済んだ。
長い1日だった。ドーハまでの悲劇?は終わった。
さあ、トランジットも終わった。
成田に向かう。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)