アラフォー留学 国連開発計画(UNDP)に採用された英文履歴書公開(私の履歴書と添削例)

インターン必須のカリキュラム

日本では、「インターン」を学生時代に経験する、というのはここ数年ぐらいのトレンドのようです。

1995年、37歳でなんとかコロンビア大学国際関係学大学院に入学したのはいいけれど、卒業するには「インターン』(3単位)が必須科目です。

大学院は基本2年コースで、インターンは1年目と2年目の間の夏休み(1996年6月−9月)に経験します。

多くの身軽?な同級生に比べ、ニューヨーク郊外に住み、通学は車で1時間、小学生・幼稚園の3児を育てながらの学生生活のなかでは学期中の勉強、試験をこなすのに目一杯。それに加えて「就活」はもう、「成層圏外」の大変さに思えました。

年齢も年齢だし、これまでに働いた経験もあるので、「棄権(ウェイバー)」という手段がありました。多くの日本人留学生は国や企業からの派遣で、そもそも「社会人」だったので私が気づくころ(一年目後期試験が終わる頃)には知り合いの日本人留学生のほとんどが「ウェイバー」の手続きをすませていました。

就職課に相談

困り果て、まずは相談、です。担当の方と話し合い、自分の状況と過去の就労経験を切々と語り、とにかく「自分は今更インターンをする必要はない」と訴えました。とりあえず、私が書いた「入学前」の履歴書を見て担当者はなんとか納得してくれたようでした。

その上で、「できることをしてみましょう」と、私が就活をする頃にはすでにほとんどの同級生がインターン先を決めている中、残っているインターン募集先に応募してみることにしたのです。

最後の手段は「棄権」という「心の支え」を得て、就職課にある残り少ない募集先のファイルを繰る日々が続きました。

履歴書の添削

就職課に相談して履歴書を見せると、「これでは、あなたが何をしていたのか、どんな仕事をどのようにしたのか、よくわからない」と言われました。

そして、履歴にある職歴について1つ1つ検討し、「どのように働いてどのような価値をその職場で生み出したのか」と具体的に文章を変えていったのです。

私が作成した履歴書です。

赤い添削の跡がいっぱい入っています。

念のため:こちらに記載されている住所に私はもう住んでいません。また、電話番号も、もう使われていません。

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そして、添削後の履歴書。

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体裁も直してもらいましたが、どんな仕事に就いて、どんな成果をあげたのか、が具体的になっています。写真だと、わかりにくいですね。

たとえば、以下のように書き直しています


元の履歴書の「経験」Experienceの項:

FREELANCE TRANSLATOR AND JOURNALIST

Tokyo, JAPAN 1987-present

Job experience include:

Translating Scientific and media reports for a Japanese magazine, “Food Science”.  Specialist in Nutrition and Public Health. Translated CBS news at Tokyo Broadcasting System.

ENGLISH TEACHER at ASHIKAGA MUNICIPAL JUNIOR HIGH SCHOOL, Tochigi, JAPAN 1986-1987.

RESEARCH ASSISTANT to a Medical Doctor specializing gerontology at Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.  Assisted writing medical reports to world known medical magazines such as Nature, Science.

変更後

FREELANCE TRANSLATOR AND JOURNALIST

Tokyo, JAPAN (1985-present)

  • Translating scientific and media reports for the Japanese magazine Food Science.
  • Written articles on nutrition and public health such as breastfeeding, child’s nutritional needs.
  • Translating CBS news reports for Tokyo Broadcasting System.
  • Overseas correspondent for the Japanese Magazine English Journal.

ENGLISH TEACHER at ASHIKAGA MUNICIPAL JUNIOR HIGH SCHOOL

Tochigi, JAPAN(1986-1987)

  • Taught English as a foreign language but also a culture.
  • Made full use of both college education and personal experience of previous stay in the United States.
  • Chosen to particulate in cultural exchanges with native English teachers invited by Ashikaga City
  • Worked with native English teachers to prepare English conversation program.

Research Assistant at Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, Tokyo, JAPAN (1981-1985)

  • Assisted with writing medical reports for world renowned medical magazines such as Nature and Science.
  • Organized international conferences and meetings in scientific research.
  • Accredited translator of Japan Translation Federation and Japan Translator Association.

変更前の履歴書では、たとえば「いつからいつまで英語教師」としか書いていませんが、添削後は、「英語教師として具体的にどのようなことをしたか、自分なりの特徴」を描写しています。「研究者アシスタント」職も添削前は「どこで誰のために働いていたか」と書いているだけで、自分が「何をしていたか」は書いていませんでした。変更後は、アシスタントとして「どのように仕事に取り組んでいたか」ということを書いています。


PTA活動もこんな風に書ける!

アメリカでは、ボランティアや社会活動はとても評価されます。

なので、Activities という項目もしっかり履歴書の一部です。私は、日本にいたとき、そしてアメリカに行ってからも子どもの学校のPTAの役員を務めました。そういった活動、日本では評価されにくいようですが、自分が関わり、何らかの貢献をした、ということは立派な履歴ですよね。

  • Active Member of the International Families Focusing Cultural Exchanges at Greenacres Elementary School, Scarsdale, NY 1994-present.   Lectures about Japanese culture.
  • Staff Member of Public Relations at Tamon Elementary School, Tokyo, JAPAN 1992-1994  Wrote and edited quarterly publication for the school.

国連本部でインターンに採用された

精一杯履歴書を書き、カバーレターを書き、就職課に通い詰め、「残っているインターン先」のファイルを(そんなにたくさんなかった)繰ってやっと見つけた応募先のひとつに国連本部でのインターン募集がありました。まさに「残り福」。女性の登用に理解があり、時期外れに届いた応募書類にたまたま興味をもったボス(ミヤンマーの方でした)が、電話をかけてきてくれました。

夢が叶った瞬間でした。 (インターン生活についてはのちほど別原稿で書きます。)

英文履歴書の古典的参考書

私は、この後もこの履歴書をもとに、英文履歴書の「バイブル」とも言うべき以下の本を常に手元に置いて帰国後も主に外資を狙って就活しました。

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あるとき、教員(英語の教職免許を持っています)の中途採用に応募したときは、「履歴書がご立派なのはいいのですが、普通の(いわゆる日本で販売しているB4の様式)を出し直してください」といわれ、時間もなかったので出し直さず、結局門前払いになりました(だったら最初から様式を指定してくださいよ …いや、この場合は私が常識知らずだったかな?)

何が大事かというと、もちろん様式を守ることが基本ですが、英文履歴書を書く場合には、要するに「仕事で具体的にどのような成果を上げてきたか」ということが具体的に書けなければいけない、ということです。

新卒の方は別として、(特に外資に)転職する方は是非、「これまでの仕事でどんな成果を上げたか。」を意識し、履歴書を書いてください。そして、次のステップアップにつなげていただければ、と思います。

履歴書に付けるカバーレターについてはまた別稿でお伝えします。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)