【遠距離介護日記】テレビでSkype、そしてもっとコミュニケーションできる機器への期待

1. テレビでSkype…の顛末

私のブログを読んでいただいた方からメッセージをいただきました。

その方は、現在大学院で起業の勉強をされている方で、

高齢者介護に今後求められるサービス、

特に遠距離介護に役立つサービスを

事業として起ち上げることを目指していらっしゃいます。

私がロジクールのウェブカメラを使って耳が遠くなった母と連絡しあっていたこと、

そのロジクールのカメラがSkypeの突然の仕様変更で使えなくなったこと。

その後、友人の協力でグーグルのリモートデスクトップを使って

再びSkypeが使えるようになったこと

などの経緯もずっと見てくださっていました。

その方と面談をする機会を得て

私の職場の近くまでお越しいただきました。

聞くと、ロジクールのシステムを使っていた人はとても多く、

特に高齢者の見守りに使っていた人は困り果てて

ロジクールさんに陳情までしたそうですが、

Skypeを使う、という時点で「他社のシステム」に依存する形となり、

ロジクールさんにとってSkypeの新仕様に合わせて

新しい機器を開発するリスクが高く

仕様変更に伴う再開発は見送られたそうです。

もう一つ、私も少し注目していたのがスエーデンの

ジョイステレビ電話というものでした。

ジョイステレビ電話 http://www.myjoice.jp/support.html

しかし、こちらも事業としてはなかなか普及せず、

現在は活用されている気配がありません。

取材に応じたおかげでこのような最新情報をご教示いただくことができ、

やはり自分でシステムを組むしかなかったのだなあと確認しました。

2. 私が開発を望む機器とは?

それでは、今後どのようなシステムがいいかというと、

私は双方向掲示板が欲しいと思いました。

お互いに書いたことが掲示板に反映されるもの。

電子掲示板、あるいはテレビ会議システムを

会わせたようなもの。

タッチペンで、たとえばこちらはスマホ、

母のところは私の顔が見えて、そして文字も読めるもの。

さらに音声入力ができたらベターです。

さらにスキャナーがつながっているもの。

スキャナーは、母がよく

「こんな書類きたけど読んで」と、

テレビ画面の私の目の位置に紙を広げるのですが、

「見せたいものがあるならばカメラにむけてね」、

といってもなかなかカメラに紙を向けるということはできません。

それに、ウェブカメラで見ると、書類がゆがんで見えるので読めません。

なので、

スキャナーにおいただけで読み込めるものがいいです。

たとえば、スキャナーに紙をおいてカバーをすると

読み込んで私の方にデータがうつるというもの。

こんなシステムがあればいいなあ、と思うのです。

3. 限られた能力でも使えるもの、そして双方向性が高まるものがいい

本当に機械音痴というか、携帯電話さえ使えない80代。

テレビと冷蔵庫以上の家電はほぼ無理。

でも電子レンジでご飯を温めることはできる。

そんな母でも使えるもの。

掲示板は手書き入力が必須。

スキャナーも、置いてカバーをしただけで送信できるもの。

掲示板には小窓がついてお互いの顔が見えるものがいい。

テレビのモニターが使えればなおうれしい。

そんなシステムを開発してほしい、とお話ししました。

技術的には可能だと思いますが、

あとは汎用性です。

実際、事業向けにはテレビ会議システム、そして電子掲示板システムが

開発されています。

しかし、初期投資、設置費、メンテナンス費、いずれをとっても

一個人、一家庭ではなかなかまかなえるものではありません。

でも遠距離介護者にとっては

一回帰省したら3万円、5万円はすぐにかかってしまう。

たとえば、介護認定調査などは調査日が決まると比較的すぐに実施になります。

私は毎月母を訪問していますが、介護認定のときは

平日なので大阪とんぼ返り、有給休暇です。

精神的・肉体的・金銭的負担が大きく、いつも笑顔で介護など

理想ではありますが、正直、無理です。

4. 開発されたら笑顔が増えること間違いなし!

介護が少しでも楽になるように、

こうした事業に取り組んでくださっている人がいることに

本当に感謝の気持ちが絶えません。

また、このシステムだと、たとえば毎日のように顔を突き合わせることはしなくても

たとえば、「薬飲んだか」とか

「元気か」とか

掲示板にメッセージを簡単に残すことができると思います。

おしゃべりが苦手な息子さんでも

メッセージなら残せます。

早くこのようなシステムが家庭でも使えるよう、開発されることを期待しています。

情報発信することで志ある方の目に触れて、

より多くの人の介護が改善されることになったら

このブログを書いている意味がある、という気がします。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)