なぜ英語がしゃべれないのか?

英語を学習し始めてずいぶん経った。ようやく、最近になってわりと思うように話せるようになった。遅すぎかもしれないが、まあ、継続は力なりで結果がついてきているのが嬉しい。

英語の4技能、聞く、読む、書く、話すのそれぞれにおいて基準点以上を獲得した人に与えられる賞、Award of Excellence をいただくために必要な点数である170点を最近は安定して獲得できている。

大学を卒業してすぐの英検一級の面接試験は、散々だった。当時はグループ面接。1分間スピーチを最初の10秒で撃沈。残り50秒を15人ほどの受験者と3人の面接官の前で、ただ、あわあわしながらあー、うー、と唸るだけ。満座の笑いものとはこんな状態なのだ。他の受験生だって、そんなに難しいことを言っているわけではない。だけど、外国語で思っていることを言葉にする、というのは実はかなり難しい作業なのだ。あれぐらい、自分にもできる、なんて侮ってはいけない。

最近になってやっと、言葉を運用できるようになってきた、と言う実感がある。まさに、運用、と言う言葉がわたしにはピッタリなのだけど、それは、やっと自分の中にこれまでの蓄積と、アウトプットの蓄積のバランスが取れてきたからだと思う。なんとか蓄積してきたおかげで、頭の中で主語、動詞を組み立てることができてきたのだ。そろばんのメイジンが、頭の中にそろばんを置いて暗算できるのと同じように。

以前は、英語を喋ることが特別なことだったので、緊張してうまく表現できず、会話が終わってから「ああ言えばよかった、こう言えばよかった」と、後悔の念と共に反芻するばかりだった。

でも、最近では、話しながら頭の中で英語を組み立てることができる。言いたい単語が出てこなくても、他の言葉で言い換えることもできるようになってきた。

それは、やはり練習のなせる技。英語が喋れないと、いま、苦労している人は、やはり、今までのインプットを全部吐き出すぐらいアウトプットを増やすことに時間をかけて欲しい。

どこでそんなにアウトプット増やすかは人それぞれだけど(英会話スクールとかオンライン英会話とか)、講師はたいてい甘い。レッスンの間、あなたを甘やかしにかかる。そして、貴重なレッスン時間が、お互い通じればいいや、ぐらいのレベルの雑談になってしまうことも多い。

それではいつまで経っても人前で使えるような英語をしゃべれるようにならない。

最近、わたしが気になるのは、ブロークンでいいや、みたいな緩い教えを受けた人たちの話す英語だ。

主語がなく、動詞がいきなり出てきたり、三単現のSを忘れたり、いらないところでつけたり、受け身形 I am surprised とか、I am confused とかのbe動詞を忘れたり、I could not go to school tomorrow. みたいに時制がめちゃくちゃだったり。今まで、何を学んできたの?というレベルなのだ。

文法を気にしていては、しゃべれない、という人もいるかも知れないが、文法を気にしないで喋れるようになるための練習をたくさんしないと、いつまで経ってもきちんとした英語はしゃべれず、Ah, so, so、that’s what I wanted to say! しか言えないでレッスンが終わる。

レッスンが終わったとき、自分が喋ったような気になってるかも知れないが、ほとんどの部分、ネイティブに頼っていただけだ。

文法を気にしなくても文法的に正しい英語が喋れるようになること、そこに至るまで練習を積み重ねることが大事なのだ。

マンツーマンレッスンだったら、クラスの最初に講師に伝えておこう。文法的な間違いは直してほしい、と。

ブロークンでもいいじゃん、なんて甘えた気持ちでレッスン受けててはいつまで経ってもネイティブと心の通った会話はできない。会話中、相手はあなたの英語の間違いが気になって仕方ないからだ。

なので、英会話レッスンでは、ブロークンはやめよう。その姿勢ができれば、本番ではきっと「会話」が成立する。

もちろん、私たち日本人と同じように、英語ネイティブの人たちが文法間違いすることもある。でも、間違いのレベルが違う。

喋れるようになるために、たくさん、正しい英語を口から出そう。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)