東京オリンピックボランティアー私は輝けたか?(5) 初めてのアテンド

ついに来た!ボランティア4日目(7月26日)

仕事もないまま、事務局通い4日目。

日本人選手の活躍は嬉しいものの、自分は「不要な存在」。

「わざわざ休暇とっていったい何やってるんだろ」と感じます。

仕事していた方がよっぽど楽しかったなあ…

ボランティア募集とか言っときながら、何もさせないって

どういうことよ。

まあ、多くのスポーツ大臣が来日を取りやめたということらしいけど。

だったらそれって早めに言ってくれればいいことじゃない?

「メールしても何の返事もない」と証言する人が多すぎる…

T-TOSSは相変わらず問題続きらしいし。

と、不満がふつふつと湧き上がって来た日の夕方、

「K国のアテンドやりませんか?」とのお声がけ。

きた〜、初めてのオーダーだわ!!!

でも、T-TOSSちゃんと動いてないけど大丈夫かな?

複雑なオペレーション

T-TOSSが当てにならないシステムであることは

すでにほとんど外交問題?になりつつありました。

大臣を「おもてなし」する各国大使館で比較的裕福なところは

手を打っています。

大臣が宿泊しているホテルでは、オンデマンドでT3車を呼び出すことができません。

(駐車場が小さいという理由らしいですが、少し離れたところ、あるいは

他の、オンデマンドができるホテルから大臣宿泊ホテルまで移動したとしても

たいして時間はかからないはず。要するに、使う人のことを考えていないのです。)

なので、

  1. 大使館職員がまず「オンデマンド」でT3車を呼ぶことができる別ホテルに電車で移動
  2. 大使館員が大臣のアクレディテーション番号とパスワードを使ってオンデマンドで配車予約を入れる(ここから15分以内に大臣のアクレディテーションカードをタッチしないと、予約やり直しになる)
  3. 大使館車に大臣を乗せ、ボランティアの私、大臣にぴったり寄り添っている随行員、大臣の3人で宿泊ホテルからオンデマンド車が配車される別ホテルに移動(本来随行員はT3車に乗れませんが、そんなこと言っていられません)
  4. 別ホテルで全員T3車に乗り換え。大臣のアクレディテーションカードを係員のスマホにタッチして乗せてもらう
  5. 大使館車は、その後T3車の後をついていく(そのスポーツ大臣は、試合観戦のあと、羽田に移動して帰国)。
  6. T3車は、「東京スタジアム」に向かう。
  7. 東京スタジアムでは、T3車が指定の停車場に向かう
  8. 大使館車は、会場周りで待機(特別の許可証がないと、敷地内に入れない)
  9. 試合が終わると、大使館車は待ち合わせの場所で待機(随行の大使館員が連絡)
  10. 大臣と随行大使館員を大使館車に乗せ、お別れの挨拶。私は電車で帰宅

まるでスパイ大作戦なみの仕組で、大勢の人間を関与させないとできないオペレーションです。

何度も言いますが、T-TOSSの配車システムが、まず柔軟性がなく、

「大事の泊まるホテル」に「オンデマンド」で迎えにくることができない。

しかし、大臣は、「公共交通機関を使うことを禁止されている(感染症対策)」

あるいは、もし、ボランティアの私がオンデマンドで配車できるホテルに行き、

大臣を宿泊ホテルでピックアップすることができれば、T3車と大使館車のタンデムなんて

馬鹿馬鹿しい道行きはしなくて済んでいたのです。

でも、ボランティアは「たとえ大臣を迎えに行く場合でも」1人では乗ることができません。

ま、いずれにしても帰り道は羽田行きだったので、「不安定」なオンデマンド配車を

使うことは危険すぎます。その点で運転手つきの大使館車を用意したのは賢明でした。

とにかく、大会5日目でT-TOSSシステムは「誰からも信用されない」車両運行システムに

成り下がっていました。

運転手さんは職人さん

さて、システムはポンコツですが、運転手さんはボランティアで、

慎重な運転が印象的でした。

聞くと、千葉の方。

千葉の醸造会社の社員さんで、オリンピックのスポンサー会社のひとつ。

ボランティアするにあたり、宿泊費は会社持ち、だそうです!

普段は、「大豆を蒸している」とか…(職人さんなのね)

マラソン話で盛り上がり(最近はトレラン頑張ってる、とか)、

楽しいひとときを過ごすことができました。

ただ、運転手さんも全ての会場に行ったことはないので

最後は人による先導が必要でした。

停車場からセキュリティを通り、会場までテクテク10分ほど

歩きましたが、

試合にも間に合い(高速は、規制のおかげで空いていた)、

大臣を無事競技場に送り届けることができました。

とりあえずはやり遂げた!

その日の試合は、7人制ラグビーでした。

競技場には「入れない」ことになっているので、

何もないロビーでぼんやり突っ立っていたのですが、

優しい優しいボランティアさんが「僕についてきて」と

言ってくれて、やっと柱の陰から試合を垣間見ることが

できました。

これが私のオリンピック初体験。

立ちん坊だったけど、熱戦を自分の目で見ることができて

とても嬉しいできごとでした。

試合は30分ほどで終わり、そのあと、大臣は知り合いと談笑。

また、自国からきているプレスに掴まり、インタビューが30分ほど

続きました。

お見送り・電車で帰宅、ほっ!

試合が終わった大臣と随行員を大使館車に乗せ、

お別れを言って

本日の任務は終了です。

さて、東京スタジアム(味スタ)にきたことが始めての私。

その後は、「飛田給」の駅を探しておおわらわです。

いったん、競技場を出てしまったので、駅に向かうには何ともう一度

セキュリティを通り、駅に向かいます。

何しろ土地勘がないので人に聞きながら聞きながら、

長い道のりをテクテク帰りました。

最後に乗ったバスでは居眠りしてしまい、停留所をひとつ乗り過ごしてしまいました。

(やっぱり疲れていたのね…)

お家では夫の作った晩ご飯が待っていて

(帰宅は9時すぎていたけど)、

「あー、家族ってありがたい」を噛み締めました。

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この記事を書いた人

大野 清美

大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)