墓守り
長い間、お墓参りに行っていない。親不孝ものである。
私が中3の時に姉が突然死して私が一人っ子になって以来、「あんたは養子とりやで」と母や親族一同に言われ続けた。
私が結婚する時、相手も一人っ子だったことから「うちが無縁墓になる」と、母からは責め立てられたものだ。
当時、人気だった占い師?の細木数子女史は、「あなた、地獄に行くわよ」と、墓参りをしない人を脅していたっけ。
そんな彼女のファンだった母。地獄に行きたくない一心で?私を結婚させないで、「墓守」にしようとしていた。
私に子供ができたら「1人は養子にする」などということも言っていた。すべては「お墓のために」。
死後のことなど、心配しても仕方ないじゃないか。
そもそも借金だらけだった実家に「跡を継ぐ」だけの身分、家柄、財産があるわけでもない。
とはいえ、まあ、母の気持ちが収まるように、「大丈夫。私が生きてるうちはなんとかするから」と、言っておいた。
納骨問題
ところが、遠距離な上に、母の介護と自分の生活に多忙すぎて、なんともなっていなかった。
最近、両親を相次いで亡くした夫から、「君、納骨どうするの?」と言われてはっと気づいた。
そういえば、もう長い間、お墓参り行ってない!
霊園は、私の実家がある大阪の郊外。それでも地下鉄で行ける距離。
一方、夫の実家の墓は、堺市にあり、電車とバスを乗り継いで行く。
夫婦揃ってお墓参りも遠距離だ。納骨も一仕事になりそうだ。急に現実が襲ってきた!うわー!
お墓の住所
そういえば、お墓の住所、どこだったっけ?
いや、いま、誰の名義になっているんだろう?
夫が墓の住所(霊園内での住所)と、誰が名義になっているかを霊園管理所に聞いてくれた。
私の先祖?のお墓の住所は、無事教えてもらい、また、父が名義人であることがわかった。
もう、何年も行っていないので、きっと荒れているに違いない。夫がいつも頼んでいるという「墓参り代行」業者さんを依頼した。
夫の実家のお墓と私の実家のお墓、同日に2件。一基9,800円でやってくれることになった。
ありがたい。
墓碑銘?
お掃除が終わったら、業者さんが写真を送ってくれるのだけど、
その時に判明したのは、私の実家のお墓には、父の名前、早世した姉の名前も刻まれていなかったこと。
なので、業者さんも、名義人である「田口稔」の名前がなくて、迷ったそうである。
とはいえ、近辺に「田口」という甘えについた墓はなかったので、「これだろう」と
あたりをつけて手入れしてくれたそうだ。そして、きれいに掃除し、花を供えたお墓の写真を送ってくれた。
間違いない、とは思うけれど、やはり照合しないと、と思い、
自分が昔に撮った、母と一緒に墓参りをしたときの写真を
引っ張り出して照合した。うん、間違いない。
わたしの行き先は?
で、これから先は、私の責任で管理、そして私自身が後期高齢者になる前に墓じまい、
というつもりでいる。
今回、問い合わせをしたこともあり、
霊園のほうからは、「承継の手続きをしてください」という書類が届いた。
私自身の骨の行き先も決めておかないといけないけれど、まずは「墓守」の
義務を果たさないといけない。
昔は「生まれ変わったらイグアナになりたい」、などど考えていたから
ガラパゴスにでも散骨してもらおうか、なんて考えていたけど、
それでは娘たちも大変なので、もう少し現実味のある「行き先」を考えようと思う。
多分、わたしはお墓にはいないし、「千の風になって」綺麗さっぱり、とは消えていないだろうと思う。
なので、行き先を早めにかんがえておかないと。
今を一生懸命生きながらも、自分の終活に向けて、日々考え、計画を考えている。