相続登記顛末(2024年4月から義務化ーみなさんにも関係ありますよ!) その2 登記申請書作成編

相続登記続きです。

前稿では、相続登記のために

  1. まずは、法務局に電話で相談日の予約
  2. 必要な書類を揃える

ところまでのお話をしました。

さて、次の段階は申請書の作成ですが、その前に、重要なものは

母が亡くなった年度の「納税通知書」(課税標準額を知る)を用意する。

それをもとに、「登記事項証明書」をとる、というステップがあります。

ところで、私の登記申請は、あくまで「素人」が試行錯誤しながら進めた方法です。

プロの司法書士さんや弁護士さんは、それぞれ様式もお持ちだろうし、書類も

もっとスマートに集められると思います。私の場合間違った解釈もあるかもしれません。

そこはご承知おきくださいね。

登記事項証明書の取り方

登記事項証明書は、どこの法務局でも入手することができます。

私の場合は、自転車で15分ほどの世田谷区役所内にある世田谷出張所に

いきました。(実際とは違う写真です)

納税通知書に記載された住所を機械に登録すると、受け取り番号札が出てきて、

それを窓口に渡します。

必要な印紙(同じ部屋の中に印紙の販売所があります)を買い、

貼り付けて(1通600円)。お支払いし、「登記事項証明書」をもらいます。

(オンラインでも手続きができ、しかも手数料が安いのですが、

結局、郵送してもらったり、

受け取りに行ったり、とかえって時間がかかります)

登記したい住所がちゃんとわかっていて、出張所が近くにあるなら

窓口に行くのがいいかなと思いました。

申請書の作成ーまずは、上半分

さて、いよいよ申請書の作成です。

不動産は、実家のある大阪市中央区と、貸家にしている

東住吉区の2カ所にあるため、提出時には、それぞれ大阪法務局と

天王寺出張所に分けて出さないといけません。

なので、戸籍謄本等の必要書類は、それぞれすべて2セット準備します(すべて原本。コピー不可)。

*登記事項証明書は、正確には「提出書類」ではありませんが、

登記事項証明書により、「物件の番号」(建物や土地に付けられている番号)がわかるので、

申請書の記入が簡便になります。

(正確な地名・地番を入れなくても、物件番号を記載するだけですみます)

下の写真は、法務省のHPで示されている「記載例」です。

(本物ではありません)

私は、ワードで作りました。

記入要領

  1. 登記の「原因」は、母、「(仮名)●●ゆき子」が死亡した日を記入します。
  2. 相続人」は、今回、私1人ですが、複数いる人は全員。それぞれの持分と住所を記載します。
  3. 「住民票コード」とありますが、マイナンバーとは違います。わからない場合は、相続人名と住所連絡先電話番号(代表者だけでいいかな)あとで問い合わせの電話がかかってきますので、間違えないこと、そして本当に連絡がつきやすい番号を書いた方がいいです
  4. 添付情報:登記原因証明情報とは、本稿の「その1」で集めた書類、すなわち被相続人(仮名・ゆき子)の戸籍謄本相続人(私・大野清美)の戸籍謄本です。なので、「被相続人の戸籍謄本」「相続人の戸籍謄本」と、それぞれ書きます。
  5. 住所証明情報:「住民票」と書きます。
  6. 登録申請日と、どこの法務局に提出するか、を記載します。私の場合は、不動産の管轄法務局が「大阪法務局」と「天王寺出張所」に分かれていたので、2通の「登記申請書」をそれぞれ作成しました。日付は、とにかく「出そう!」と思っていた日です。

以下は、法務局からダウンロードした雛形に自分が書いたもののサンプルです。

文書の上の方、6センチぐらいは空白のままにしておきます。

(きちんとした法務局のサンプルは法務局のHPでダウンロードしてくださいね)

以下、記入サンプル



「登録免許税」以下の情報の書き方

さて、「登記申請書」の上半分はなんとか埋まりました。

次に、「課税価格」以下の「不動産」に係る部分に進みます。

  1. 課税価格:「固定資産税」の納付書に書かれている不動産の「価格」です。
  2. 登録免許税:相続登記では、物件の評価額✖️ 4/1000 (0.4%) です。印紙がいります。書類の内容(評価額)がきちんと分かった上での計算になります。

課税価格は、「固定資産課税明細書」(固定資産税を払う時に届く納付書ですね)に記載されている金額です。一般的に「価 格」又は「評価額」と表記されている価格であり、「固定資産税課税標準額」 ではありません。

なお、土地の売買や、贈与、財産分与などは税率が異なりますので、それぞれ確認されたほうがいいですよ。

  1. 不動産の表示: ここに、「登記事項証明書」に記載されている「不動産番号」を書くと、「土地の所在、地番、地目及び地積(建物の所在、家屋番号、種類、構造及び床面積)」を省略することができ、大変便利です。私は、不動産番号のみ記載しました。

以下、記入サンプル



↑ここまで。

相続関係説明図

そして、もう一枚、添付書類の作成が必要です。

それは、「相続関係説明図」。

簡単なものでいいのですが、私の場合、姉が早世しており、その姉には配偶者もこどもも

いないことを示さないといけません。(父を筆頭とする除籍謄本でもわかるはずですが)

また、夫婦の間は2重線で結ぶことになっています。

で、作ったのが以下のような図です。



私が作成したのは以上のような書類です。

簡単ですが、それなりに時間はかかりました。

 

さて、長くなってきました。

ここから先は「その3」で読んでくださいね。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)