抗がん剤治療と運動:抗がん剤治療をしながらマラソンを走りきった記録(13)

QOLを下げない

QOLを下げない、これが自分で決めた固い決心でした。

がんだから、と言って何かをあきらめる、ということはしない。
放射線治療が始まってから、週2日は朝5時に起き、ランニング、帰宅して7時半には家を出て、病院前で並ぶ。
練習がない日は少しゆっくり寝て体を休める、支度して7時半には家を出て、病院前で並ぶ。という生活になりました。
8時には放射線治療の順番を取り(たいてい2番でした。いつも1番の方は子宮がんとか言っていたかな。彼女も照射がおわったら自転車で猛ダッシュで出勤していました)、9時には会計を済ませ、1時間半近くかかる職場にいき、仕事をし、帰宅します。

ボディペインティング(マーキング)

放射線治療をしていると、照射位置がずれないように胸からお腹あたりまでマジックで線を描きます
私には大阪に82歳になる母が一人暮らしをしていて、がん診断を受けるまでは毎月訪ねていたのですが、母にはがんのことも手術の事も伝えていませんでした。
放射線治療の間は、身体にマジックで線が描かれているため、実家には帰れませんでした。お風呂はいるときなどに母が見かけたら(実家のお風呂、脱衣場がないのです。部屋からすぐお風呂)、ショックを受けるだろうし、そもそも説明が面倒くさい…
1度大阪に用事があって戻った時にはホテルをとって泊まりました。母には連絡しませんでした。毎月のように帰っていたのに、8月、9月と帰宅しなかったので「ロクに家に帰らない親不孝者」と思っていたかもしれません。
9月末に放射線治療が終わるまで、平日は仕事をこなし、週末は、ほとんど意地になって、ランニングやツーリングに出かけていました。
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放射線治療の副作用は?

人によっては、体力を消耗し、放射線治療を続けられないそうです。自分の場合、幸い副作用を感じることはありませんでした。
医師の診察が2週に1度ぐらいあるのですが、「疲れませんか」と尋ねられたことがあります。
放射線治療を続けていると、「ひどく疲れる」と訴える人が多いそうです。
自分の場合、早朝ランニングを取り入れた生活、仕事もフルにしているので、もちろん毎日精一杯で疲れないということはないのですが、それがランニングのせいなのか、あるいは放射線治療のせいなのか、わかりません。でも、運動をしているおかげで毎日「心地よい」疲れがあり、夜はお布団にはいるやいなやすぐに寝付くことができます。
こちらのページでは、以下のような放射線治療の副作用が紹介されています。(国立がん研究センターがん対策情報センターより)

以下引用——————————————

放射線治療の主な副作用と対策

副作用は、主に放射線を当てた場所に起こります。治療中や治療直後(急性期)に現れるものと、半年から数年たってから(晩期)現れるものがあります。症状の起こり方や時期には個人差があります。
  • 疲労感、だるさ 疲れやすい、だるい、気力が出ない、などの症状が現れることがあります。
対策:治療中は過度な運動を避け、疲れやだるさを感じたら、無理をしないで休みましょう。治療中に感じた疲れは、治療が終了して数週間のうちには感じなくなります。
  • 食欲がない 治療中に食欲がなくなることがあります。腸に放射線が当たることによる直接的な影響だけでなく、がんの治療に対するストレスも関係すると考えられています。
対策:放射線により障害を受けた正常細胞の修復などのために、普段以上にカロリー、栄養素をとることが望まれます。少量ずつでも数回に分けて食べたり、高カロリーの食事をとるなどの工夫をします。食事がとれないときは無理をしないで、担当医や看護師、栄養士に相談しましょう。
  • 皮膚の赤み、かゆみ 放射線を当てた部位の皮膚が日焼けしたように赤くなったり、乾燥したり、かゆみや痛みを感じたりします。
対策:こすったり、かいたりしないようにしましょう。衣類は皮膚を刺激しないものにし、入浴やシャワーは短時間で、ぬるめのお湯にし、刺激の少ない石けんを使って泡で流すようにして、ゴシゴシ洗わないようにします。冷たい風や直射日光を避け、痛みや熱感が強い時期には冷やすと軽くなることがありますが、冷やしすぎないようにします。なお、かゆみ止めの軟こうなどの塗り薬を付けるかどうかは、医師の指示に従うことが必要です。
引用終わり———————————————————–

でも、私には、「東京マラソン」に「絶対出る」という心に決めた目標があり、疲れるなど、言っている場合ではありません。むしろ、疲れて当たり前。

疲れていないのは、余力を残している証拠になります。

抗がん剤治療を「受ける・受けない」の決心がつかない

抗ガン剤治療については、受けるか受けないか、まだまだ悩んでいて、乳がん専門医の高校時代の友人に抗がん剤を本当にする必要があるのかどうか、聞いたりしていました。
「なんでー(悩むの?)抗がん剤効くよー」と、明るく彼女は答えてくれましたが…
ランニングの練習はずっと続けていました。8月、帰省時に撮った高校の同級生との写真です。高校を卒業して40年近くすぎ、高校時代はほとんど話したこともなかったのに、今ではかけがえのないランニング仲間になりました。
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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)