母校同窓会 南場智子さん講演(2015年5月23日)

母校の大学の同窓会総会に行ってきました。同窓会総会では毎年卒業生で活躍中の方の講演を開催していますが、今年の講演者は「日本初の女性プロ野球球団オーナー」として、また、夫の病気回復のために社長を退任したことでも話題になったDeNAファウンダーの南場智子さん。時の人とあって、今回の講演会はまさに満席。津田ホールは一席の空きもありませんでした。「これほど若い参加者が多い同窓会総会も初めてでございます!」と司会の方がその影響力の大きさに感嘆の声をあげていました。

自分からは同学部の4期下になります。ちょうど職場の仲間に同窓の方がいまして、偶然南場さんの同期、ということで彼女から聞いたエピソードは「同級生の多くが”私は秘書になりたい”と将来の職業を思い描いていた中で、南場さんは”私は秘書を使う人になりたい”と言っていた」そうです。ああ、最初から志が違う…

南場さんのお話は、その生い立ちから始まり、家から離れたいと思って行ったブリンマー大学への留学の話(それだけの理由で年に1人しか選ばれない選考に合格できるのがすごい)、まともに就活もしないで格好いい先輩がいた、という理由だけで決め、職業観ゼロで始まったマッキンゼー時代、あまりの忙しさから逃亡するように留学したハーバード大学のこと、大前研一さんに頭を下げてマッキンゼーに戻ったものの、成果が上がらなかったために転職しようとしていたこと。うまく転職も決めて、マッキンゼーで最後と思って引き受けた仕事での成功、そのときにおこった意識の変化、すなわち「自分はできません、助けてください」と周りに協力を仰いだ結果、「”自分”に意識が向かなくなって”こと”に意識が集中したときに歯車が回り始めた」という経験。そしてDeNAの起業へ。

DeNAの事業内容については、残念ながら「お固い女子大卒業生」の集団の多くの方がご存知ありませんでした。はい、私もオークションもやらなければ、マンガボックスも見ません(無料で漫画が読めるアプリで、900万人が利用しているとか)。チラシル (新聞などに入っているチラシ情報を集積してその日の最安値の食料品などを入手できる)も、ショールーム(私には説明できません。アイドル応援ページ??間違ってたらごめんなさい)も利用しません。この集団はむしろ「モバゲー」は「うちの子の敵」ぐらいの勢いではないかしらん。

が、それらの事業の多くが利用者の支持を得てベンチャーとして成功を収めています。

事業のアイデアはなんであれ、とにかく自分は「自分がやっていること、のめり込んでいる人が好きなのだ」、その「好き」が原動力になっていると南場さんは語ります。

ご主人の病気がきっかけで「ぶんなげ退任」をしたあとは、「できることは全部やってやる」「なんで病気にしてしまったのだろう」と言う気持ちから今度はご主人の回復後に東大医科研と共同でヘルスケアビジネスマイコードに乗り出しました。
このビジネスは一言で言えば「遺伝子検査」によってどのような病気にかかりやすいかを「唾液検査」だけで分析するというサービスです。

転んでもタダでは起きないというのは本当に起業家らしいところです。では、なぜ病気でさえビジネスの「タネ」にするか?それは「すべての社会善は営利であった方が前に進みやすい」から。

南場さんは「夢中になる力」が幸せを呼び込む、と言います。現在は、ベイスターズのオーナーですが、心がけていることは「プロ野球選手は、みんな天才。その邪魔をしない」ということらしい。ちなみに好きな作家は「宮城谷昌光」氏。サンデー毎日に対談が掲載されてとても嬉しかったとか。

南場さんの著作「不格好経営」は、前から「読むリスト」には入っていたのになかなか手にとる機会がなかったのですが、同窓会会場で平積みされていたので早速購入。残念ながら割引もサインもなかったですけど。

読むと、これがジェットコースターのようにスピード感とスリルにあふれていて面白い。

本の感想は別ブログで書きます。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)