随分昔話になるのですが、留学を願いながらなかなか実現できない方の
なんらかの参考になるかもしれないので書いておきます。
チャンスが訪れたのはラッキー、とはいえ「いつか叶う夢」と信じて
留学を諦めず、英語の勉強や仕事を続け、そして自分が関心あることに
対して情報を手に入れ続けていた日頃の小さな心がけが
夢の実現を引き寄せたのではないでしょうか。
1. チャンス到来
私が35歳のとき、夫がニューヨークに3年赴任することになりました。
チャンスだ!長年憧れていて果たせなかった夢。
今度こそ果たせる、と思いました。
留学をする!と夫から赴任話を聞いた途端に心に決めたのです。
どうやったらできるか、すぐに調査と準備を始めることにしました。
参考にしたのは、当時販売されていた
アルク社の「留学事典」だったかと思います。
2. 大学選び
学びたかったのは「国際関係学」。
冷戦がおわり、世界に平和が訪れるかと思ったら、世界のあちこちで内戦が
勃発していた時代です。
1993年当時、旧ユーゴスラビア地域の東欧諸国の独立運動が盛んになり、
国際連合の調停・調整能力が特に問われていた時代(今でもそうだけど)、
なぜ世界は平和にならないのか、
なぜ難民が次々発生するのか、なぜ民族浄化などという
恐ろしい行為が行われるのか。
世界に何が起こっているのか知りたかった頃。
また、日本人で最初に国連難民高等弁務官となった
緒方貞子さんの活躍(1991年から2000年)に憧れ、
自分にも何かできるのではないかと
信じていた頃。
国際関係学という学問を通して世界の仕組みがわかるのか
自分に何ができるか、試すにはどこの大学がいいか
考えていました。
ニューヨークで大学院に行くとすれば、まず通える大学、
そして、当時かなり有名だった明石康
元国連カンボジア暫定統治機構事務総長特別代表が学んだという
コロンビア大学、あるいはニューヨーク大学がいいだろうと、
とりあえず知っている限り難易度の高い大学を志望することにしました。
コロンビア大学では国際関係学、そして
ニューヨーク大学では国際政治学、という学部が見つかりました。
3. 必要書類
大学院の入試に必要な書類は
1. 大学の卒業証明書(日本にいる間にとっておきました)
卒業後14年も経つのに、証明書を出してくれる母校とはありがたいものです。
2. 様式に書き込む履歴書
3. 小論文
大学は2校にしぼり、なぜコロンビア大学で、
あるいはNYU(ニューヨーク大学)で学びたいか、を
自分の経験を踏まえ、書きました。そして、
4. 推薦状3通(2人はアカデミアの人である必要あり。つまり大学教授)
卒業後、ほぼフリーランスの仕事をしていたのでこれが大変でした。
大学の先生はいいとして、
フリーなので、誰に書いてもらうか…考えたあげく、
翻訳をさせていただいている出版社の編集長にお願いしました。
ジャーナリストはアメリカでは地位が高いのです。
幸い編集長は快く引き受けてくださいました。
ゼミの先生からは、「卒論なんだったっけ?」と
質問を受けました。そりゃーそうですよねー。
卒業後14年もたって
大学院にいきたいから推薦状を書いて欲しいなんて、言ってくる卒業生は
かなり珍しい(普通、もっと若いうちに留学しますよね)。
でも、恩師はありがたいものです。きちんと書いてくれました。
小論文は、アルクの留学支援サービスを利用しました。
アルクは、当時大学の先輩も就職していて、
英語学習の世界では先駆者のような会社です。
(現在のアルクの留学支援サービス(留学センター)は
小中高の留学にターゲットをおいているようですね)
日本にいる間に小論文対策サービスを受ける契約をしておきました。
アメリカについてから、こどもが幼稚園や小学校に行っている間に
論文を書き、ファックスで日本に送り、添削して返信してもらうのです。
これが本当によかった!
初めての小論文、添削指導がなければ絶対にどうにもならなかったと思います。
アメリカに到着し、願書を出すまで4ヶ月ほど。
まだ言葉すらわからない3人の子供達の学校生活を見守りながら、また、
翻訳の仕事も抱えながら、願書作成に力を入れていたのです。
2013年、ふたたびNYを訪れた時に撮った写真です。↓
本稿、②に続く