介護日記 軽度認知障害(MCI)診断 進行を防ぐには?

母、現在84歳。まだ一人暮しをしていますが、いろいろなことが不自由になってきました。

遠隔介護で母のQOLをあげるにはどうしたらいいか、日々考えています。

1. 認知症の診断結果について

長谷川式認知症スケールと画像診断により、医師の診断は以下のようなものでした。

前回の検査の様子→介護日記 母を「物忘れ外来」に連れて行った 「認知症検査とはどのようなものか?」

「画像を見る限り、海馬の萎縮はあまりない。また、長谷川スケールでも30点満点のうち24点でいまは心配なレベルではない。
したがって、「軽度認知障害」と診断できます。」

軽度認知障害とは?
健常者と認知症の中間にあたる、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階(グレーゾーン)があります。MCIとは、認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。以下がMCIの定義になります。

MCI 5つの定義

1.記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
2.日常生活動作は正常
3.全般的な認知機能は正常
4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
5.認知症ではない

認知症ねっと より

診断のあと、血液検査の結果などを見ながら、医師は以下のような話をされました。
  • 糖尿病と認知症には相関関係があるため、管理が重要(母は糖尿病をもっている)
  • 腎機能にやや心配な数値が出ているのでしっかり尿が出ているか観察する必要がある。
  • 歩くことが大事、趣味を持つこと。
  • 運動すること

2. 母の現状

耳が遠くて不自由。補聴器なしでは会話がかなり困難。

運動をしなさい、とか趣味を持ちなさいと言われても、今さら趣味など持てないでしょう。

そもそも耳が不自由で大好きだったカラオケも、日本舞踊もダンスもやめてしまったのですから。

それ以上に、近所に友人もいないのです。

ということで何より人との接触が少ない。

孤独がいけない、と思い2年ほど前から介護サービスを使わせていただいています。
しかしながら、今の支援サービスだと、要支援1なのでデイサービスに週1回しか通えません。
デイサービスではリハビリなどの「運動支援」もしていただけるので、母にはとてもいい刺激になっています。
自費でもいいのでデイサービスに通う日数を増やしたいとケアマネさんを通じて施設に依頼したのですが、施設から「制度上できない」と断られました。
医師にそのような現状を話しました。
医師は「区分変更申請」を提案されました。主治医の意見書が必要ですが、
どうやらそれしか手はなさそうでした。
軽度認知障害の怖いところは、放置すると、認知症に進行してしまうところです。
MCIを放置すると、認知機能の低下が続きます。MCIから認知症に症状が進展する人の割合は年平均で10%と言われています。すなわち5年間で約40%の人は認知症へとステージが進行することになります。
なんとしても、認知症に進行しないよう手をうっていかないといけません。

3. 気になる症状

さて、母の認知症の診断は「軽度認知障害」、ということで一応ほっとしたのですが、(今後のことはさておき)
それらの話を医師から聞いていたのは私。
横にいる母は、何も聞こえていないみたいなのです。
ぼんやりしています。
変だなぁと思い、「先生の話、聞こえた?」と尋ねると「聞こえない」といいます。
補聴器が入っているはずなのに。
その足で、今度は補聴器を作ってもらっている耳鼻科に寄りました。
現在、補聴器を調製中で、レンタルの補聴器を使っており、実は再来週出来上がるのですが、
新調するのにこんなに聞こえないと不便、と心配になったからです。
耳鼻科の検査技師さんにお会いしてそのような状況について話してみました。
横で聞いている母は相変わらずぼんやりと何も考えてない、聞こえていない顔をしています。
検査技師さんによると「音は聞こえているのですが、理解していないのです」と言っていました。
たしかに、私が横にいて医師と話していると、母は「後で清美から聞いたらいいや」と思っているようです。
つまり、「頭」が、ことばを聞いて理解する、という働きを「サボっている」ようなのです。
母は「耳が痛くなるから」、と外に行く時しか補聴器をつけません。
そうすると、耳から入る刺激に対して頭の反応が鈍くなるのです。
なので、難しいと自分が感じる事柄については、まず頭が反応しないし、私がそばにいると特にサボるのです。
そのくせ、近所のカラオケがうるさいといいます。
わたしには聞こえないし、近所の人も聞こえないというのに…
会話が聞こえないのに音楽が聞こえるはずがない。まあ、悪い音ではなさそうなので「音楽でよかったね」と言ってます。
とにかく、補聴器は耳が痛くならないようにきちんと調整してもらい、耳の聞こえが頭を刺激して、頭をたくさん働かせてもらいたいものです。

4. 次のステップ

今回、診断していただいた医師の勧めもあり、介護認定につき「区分変更の申請」を行いたいと思います。

幸い、ケアマネージャーさんが気さくな方ですので早々に電話で相談してみます。

介護保険のサービスを利用するには、要介護(要支援)認定の申請を行い、介護や支援が必要な状態であるかどうかについて、認定を受ける必要があります。また、要介護(要支援)認定を受けている方で、心身の状態が変わった場合は、区分変更申請を行うことができます。なお、これらの申請は、居宅介護支援事業者、地域包括支援センター、介護保険施設に依頼して、代行してもらうこともできます

                大阪市のHP 介護保険 要介護認定・要支援認定申請書より

遠隔だと何かと不自由はありますが、ひとつひとつ実行していくしかないです。

5. まとめ

 精神科のお医者さんに母を連れて行く、という決断はなかなか難しいものでした。
しかし、母が自分の家ですごせる時間を1日でも延ばして母のQOLを維持したい、という願いのもと、
自分でできること、(月1-2回の帰省、そしてほとんど毎日のようにSkypeで会話するようにしています)また、社会的な制度を活用してできることを探っていきます。
介護が必要となる日を1日でも遅らせることは、高齢者にかかる負担を減らす、という観点からも社会全体の負担を減らし、意味があることだと思います。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)