50代マラソン初心者が練習を続けられる理由ー「がん」経験が走ることを後押ししたーアラ還暦マラソン練習日記

初マラソン出場は2014年の東京マラソン。

55歳で初マラソン・初完走・そして自己ベストだ。

4時間38分40秒。

1. いまだ練習を続けている私がいる

本格的にマラソンに向けて練習を始めたのは東京マラソンの

当選を知った時。2013年9月だ。

それから5回のシーズンを経験し、完走歴は10回になった。

いまは「還暦自己ベスト」を目指している。

そのために2017年の年明けからはランニングクラブに入った。

若い社会人中心、だけど壮年ランナーもいる。

サブフォー、サブスリーは当たり前のランナーがほとんど。

コーチ陣はそれぞれ長い陸上経験をもち、

エリートランナーが多い。

そんななかでの5時間ランナーだけど、

応援を受けて頑張っている。

頑張れる自分が嬉しい。

スピード練習は「ビリ」が定位置だけど、

応援してくれるみんながいるのでそこでも居心地がいい。

2.  がん経験が「走る」ことを後押しした

走ることは元々苦手だった。

50メートル走で9秒をきったことがない。

運動は好きだけど、「ただ走るだけ」のスポーツには

何の魅力も感じなかったし、

ましてマラソンなど想像だにしなかった。

50歳をすぎて「人生の半分を終えたので、

いままでやらなかったことをやってみよう」と、ふと思った。

そんなことを考えていた頃、勝間塾という

経済評論家・勝間和代さんが主宰する「勝間塾」に入ったら、

ランニングクラブがあった。

軽いノリで「皇居ラン」に参加した。

生まれて初めて10キロ走った。

休みながらも走れた。苦しかったけど楽しかった。

そしてノリで東京マラソンに応募した。2回目の応募で当選。

初マラソンに出て、初完走。

有頂天になった。

55歳。この調子で頑張れば、まだまだ記録は右肩上がり、と

信じた。

初完走から4か月後、がんが見つかった。

転移性の高い細胞だったので

抗がん剤治療をするといわれた。

東京マラソンに再び当選していた。

滅多に当たらない東京マラソン。

2年連続ってほとんどいない。

「絶対走ってやる」と決意した。

抗がん剤治療で、

髪がなくなり、睫毛がなくなり、

身体も乾燥で毎日全身に保湿クリームを塗ってもらう

そんな身体になったけど、練習は続けた。

ぼろぼろになったけど、5時間33分37秒で完走できた。

その東京マラソンのスタートラインに立つために

週に2回は5時前に起きて10キロ走った。週末は10-20キロ走った。

もう、これだけの練習ができたからこれからも何にも負けるはずがない

と思えた。

「がん」に背中を押された。

3. 還暦自己ベストという新たな目標

2015年以降もレースには出て

練習はしていたけれど、

自分を追い込む練習はできなかった。

だけど、還暦を目前にして

キリがいい、ちょっと追い込む練習もやってみよう、と

思い立った。

1人ではできない。

なので、知り合いが入っているというランニングクラブと

自分のホームグラウンドを本拠地としているクラブ、2つに

入ることにした。

どちらのクラブも練習会が2週おきぐらいなのと、

自分が週末忙しいことを考えて

どちらかの練習に出られれば、練習会参加率が高まるからだ。

2017年シーズンは、年明けからわりにしっかり練習をしていたので

還暦前に初マラソン時の自己ベストを更新できるかと期待したけれど

調整ミスとレース当日の思わぬ高温で、結局叶わなかった。

もうすぐ誕生日で、本当に還暦になる。

2018年シーズンはきっとこのブログで報告できると思う。

「還暦自己ベスト」

4. 練習を続けられる理由

目標があるから、というのはまあ、普通の理由だけど、

なにか、自分のなかで

want=欠乏、欠如ということばが響いている。

走ることについてはまだ

全力を尽くしきっていないのではないか、という感覚。

そして want=そうしたい、速く走りたい と欲する気持ち。

この、want という感覚が

走り続ける動機になっている。

そして、練習で身体を使い、疲れきって、エネルギーを出し切って

頭の中が空っぽになるぐらい走って…

その先に自分のwant 欠けているものが見つかるのではないか。

5. 欠けたるものが満たされる時

還暦で自己ベストを出せたら

一瞬は藤原道長が詠んだ歌のように「満月」の気分となるだろうけれど…

この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」(「この世は 自分(道長)のためにあるようなものだ 望月(満月)のように 何も足りないものはない

きっと、私はさらに自分に「欠けたるもの」を探して

次の目標に向かうのだろう…

そんな気がする。

さて、強欲なのか、成長志向か…

6. まとめ

いろいろ考察?してみたけれど、

自分は数値で測れる目標は好きだし、

達成欲が人一倍強いから

目標を立てやすいものに対する取り組みは簡単なのだと

思う。

それでも好き嫌いはあるし、手をださないものもある。

向き不向きも大事な要素なので、

コツコツ取り組めるマラソンは自分に向いていたのだろう。

まして、初心者なのでまだ飽きるほど走っておらず、「飽き」がこない。

人生の後半で目指せるものがあるということはかなり幸せなことだ。

明日もまた頑張ろう。

 

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)