定期検診で発覚「乳腺石灰化」、「マンモトーム検査」、「診断」までの3週間で考えたこと

*お読みになるときに…私は医療関係者ではありません。

あくまで本人の体験を書いていますので人によって状況が違うことを

ご承知おきくださいね。*

2014年7月に乳がん告知、手術、放射線治療、抗がん剤治療を受けました。

その後5年近く、定期検査を受けています。

2018年9月のマンモグラフィー検査で「乳腺石灰化」のため、

マンモトーム検査を受けることになりました。その間の顛末を書きます。

1. 私にとって「石灰化」が意味していたこと

2014年6月、その4か月前に実施された東京マラソンで

「55歳で人生初のマラソン」を完走し、

意気揚々としていたころ、

定期的に通っている乳腺外来で5月に受けたマンモグラフィーの

結果を担当医に聞きました。

「石灰化が見られるのでマンモトームをしましょう」との話でした。

石灰化とは

乳がん検診をする際、「石灰化」という言葉が多く使われます。「石灰化」自体は乳がんのことではありませんが、がんによる副産物の場合があるため、検診では、乳房内の「石灰化」をさがします。

乳がん検診info

その時、先生がつぶやきました…「ちょっと嫌なんだよね」

その後すぐにマンモトームで生検をとり、

石灰化の「ほとんどのケース」が「良性」というインターネットでの

調査に関わらず、「乳がん」と診断され、

手術で取り出したがん細胞が「顔つきの悪い」(担当医の言葉)

転移可能性の高い「がん細胞」とわかり、

もともと5週間の予定だった放射線治療が6週間になり、

その後、抗がん剤治療をすることになり、副作用に苦しんだ…という

経緯を辿っているため、

その「経験」がよみがえって「恐怖」がわき上がってきました。

ただ、「経験」という点では、その時は早期発見で早期治療。

私の活動量が治療のために普段の60%程度に低下したのは約1年、

ということを考えると

今回も医師がほんの小さな兆候を見逃さず

見つけてくれたのだから、

たとえ今回の石灰化からがんが見つかっても

1年ほど、あるいは運がよくて転移可能性が低いタイプなら

半年ほどの治療でまた「日常」が戻る、と

必死で「心を強く」もとうとしていました。

大丈夫、私は大丈夫と何度も自分に言い聞かせながらも

もし再発だったらどうしよう…と頭の中で同じ考えが

ぐるぐる回るのでした。

2. マンモトーム検査

乳腺石灰化を指摘され、マンモトーム検査を受けるまで2週間ありました。

まだ何もわかっていない段階で

心配をかけたくはないので夫にも告げず、

検査の日を待ちました。

マンモトーム検査はそれなりに大変な検査で

穴があいた診療台に医療用ガウン一枚でうつぶせに寝、その穴に乳房を

入れ、石灰化がおこっている場所とリンパ腺のあたりに

針で穴をあけて組織を取り出します。

いただいたパンフレットの一部です。↓

乳房には麻酔をするので

針を刺すときには痛くありません。

組織の採取が終わると

診療台に座り、止血処理をしてもらいます。

その日はシャワーのみで入浴は禁止です。

チョッと痛々しい針の跡。2カ所刺したうちの一カ所。

乳房より外側。脇の下、リンパのところです。↓

(あまり美しいものではないですね。ごめんなさい)

痛みが出たときのために痛み止めを処方してもらいました。

この検査は高度医療で高額です。

(自費部分だけで2万円、全額だと8万円ぐらいします。)

3. 検査から診断までの間に考えたこと

検査が火曜日(11月27日)。

診断が翌週の月曜日(12月3日)という日程になっていました。

週末の不安だったこと…

ところで、乳がんの再発を予防するにはどうしたらいいでしょうか。

一般的には

  1. 肥満を避ける
  2. 大豆イソフラボン(豆腐や味噌、納豆)を適度に摂取すると再発の可能性を低くする可能性がある(研究は少ない)
  3. 野菜や果物をたくさん摂る
  4. 運動をする
  5. 喫煙はしない
  6. 飲酒はしない

まあ、「普通の健康的な生活」ですね。

それに加え、自分では

  1. 便秘をしないように気をつける
  2. 具体的には朝食は食べないで「にんじんリンゴレモンジュース」をとる(こうすることで、必要な栄養は摂るが胃腸は休ませることができる)
  3. 生姜をとり(朝はジュースに加え、生姜・蜂蜜紅茶)、身体を温める

などのことを心がけていました。

ただ、医師に指示されてやっていなかったことが1つあります。

それは、ホルモンを抑える薬:アロマターゼ阻害薬

をきちんと服用していなかったことです。

一日1回の服用で、大抵の場合、忘れてしまいます…

よく医師には叱られました。

断食でお世話になっているヒポクラティック・サナトリウムの石原医師には

「(薬を服用していても再発するかしないかは)まあ、結果論ですからね。」

と、軽く言われて…でも「運動は男性ホルモンが出るので

薬と同じぐらい効果がありますよ」と

おっしゃっていました。

その言葉を信じてランニングは続けています。

それでも、結果が出るまでは

  • 自分の生活を振り返り
  • 9月に実施した血液検査などの「腫瘍マーカー」に異常値がないことを確認し
  • 石灰化について「ほとんどの場合、良性である」というネットの情報で「安心しようと」していました。

そして、「これだけ健康的な生活をしていて、再発するはずがない。

もし再発あるいは転移するとすればそれは体質。

身体に「おでき」ができるように、体内にも「できもの」ができるのだ、

諦めるしかない。」

と何があっても「平静を保てるように」

「生きる覚悟も死ぬ覚悟もしておこう」と自らを励ましていました。

やはり、正直、怖かったです。

もし、再発と言われたら

  • 母の介護の心配
  • 家族への告知
  • 治療が前回よりも厳しくなること(前回は乳房温存手術だったけれど、今度は全摘・再建かなあとか)を覚悟
  • 放射線治療をすると今の職住接近生活はできず、自宅➡️病院➡️職場という遠距離通勤が再開する
  • 抗がん剤治療でまた副作用に苦しむ(口内炎、味覚障害、脱毛、便秘)だろう
  • これからもっとやりたいと思っていた英語の学習・指導のスピードが落ちる(活動率は前回の経験からおそらく60%ぐらいになるのではないか)(すぐには死なないだろうけど…)ことへの不安
  • マラソンは続けるけど(乳がんには効果的)、体力は一時的に落ちる(ので目標達成できるか?)ことへのがっかり…

などの心配事が次から次へと出てきました。

「何があっても恐れない」という強い気持ちを保とうと

かなり自分の中では強がっていましたが…

「禅の悟りとは、平気で死ぬことだと思っていたが、それは間違いで、
どんな場合でも平気で生きていることだとわかった。」
by正岡子規

禅の修行もしていませんが、「平気で生きている」ということは

なかなか自分にはできない、と強く感じた日々でした。

とはいえ、できるだけ普段と同じようにしよう、と考えていたので

仕事も、英語のコーチングも、マラソンの練習も(診断前日には20キロ走)

ブログを書くことも…

続けていました。それが1番落ち着くからです。

4. 診断結果を聞いてかんがえたこと

診断日の前日は20キロという長距離走で身体を使い、

十分疲れたはずなのに、夜中過ぎから眠れませんでした。

私には珍しいことで、相当緊張していたことがわかります。

朝には右目がすっかり腫れ上がり…人間、そんなに強くない。

12月4日月曜日、職場を昼過ぎに出て病院に行きました。

私の通う病院は、午前中の患者さんは「通常」の患者さん、

しかし、午後の患者さんは「訳あり」の患者さんです。

訳あり、というのは「乳がんの疑いあり」で追加検査する必要のある方、

特別な相談のある方などです。

なんとなく重苦しい空間…

3時すぎに担当医から呼ばれ

「特に異常所見はありませんでした」と言われたときの

その「安心」…本当にほっとしました。

3週間の重苦しい気持ちがふわっと軽くなった瞬間でした。

担当医は私がこの病院にかかるようになってから

4人目の若い女性医師。まだ

それほど診察してもらったわけではないけれど、

やっと笑顔を見せることができました。

のちほど考えましたが、最初のがん告知のときより

「再発」「転移」のほうがよほどショックで打ちのめされるのだなあ、

そこに「がん」という病気の恐ろしさがあるのだ、と思い至りました。

今後も、「がんを避ける」生活を続け、生活の質、人生の質を上げ続けていきたい、

与えられた生を精一杯生ききりたいとおもった診断の日でした。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)