日本が誇る世界最大級の望遠鏡を有する
「すばる天文台」を見に行きたくて、
ハワイ島「マサシのネイチャースクール」の
参加しました(2018年12月12日)
その体験をご紹介します。
1. ツアー概観
車で行ける世界で1番高い場所 はマウナケアの山頂だそうです。
そこは海抜4025m。ツアーではその場所から夕陽を眺めます。
日が沈んだ後は
- 世界で最も天体観測に適した好条件に恵まれ、
- 世界中の科学者が絶賛する、
- 地球上で1番宇宙に近い、
マウナケア山で星空観測を満喫するツアーです。
2. ツアーの流れ
ツアーはだいたい以下のような流れで進みます。
集合時間:2018/12/11 12:40(お昼の12時40分)
集合場所:ロイヤルコナリゾートのチェックインデスク前16:00 オニヅカ・ビジターセンター(2,800m)
野外で夕食(お弁当)と休憩(約45分)
17:15 スバル天文観測所(4,200m)
スバル他各国12の天文観測所(外観のみ)
山頂からの美しい夕陽(約45分)
18:30 日没後4000m付近まで降りて
専用天体望遠鏡(コンピューター制御口径25cm)にて天体観測
21:30 各地区ホテル帰着
では、実際の様子をご紹介します。
3. 実際のツアー
本日のツアーガイドは、大高仁(ジン)さん。
ハワイ大学ヒロ校出身。ハワイ在住20年の好青年です。
これから行くマウナケア山頂は、4輪駆動車で
しかも許可がおりた会社4社それぞれ2台ずつしか入れない場所です。
今日の旅の友は私たち夫婦のほかに11名。ガイド兼運転手のジンさんを
入れて14名の旅です。
さて、基礎知識として、
ハワイ島には5つ火山があります。東から
- 最も活動が活発なキラウェア火山(1277メートル)
- マウナケア火山(4205メートル)活火山だけど最近は噴火していない 最後の噴火は5000年前
- マウナロア火山(4170メートル)活火山
- コハラ火山(1670メートル)活火山ではない
- ファアラライ火山(2521メートル)活火山
ハワイ島は全て溶岩でできています。1周500キロ。
車は平らな場所に作られたコナ空港をすぎると溶岩台地を上っていきます。
地図ではこんな感じ↓
ところで、有名なコナコーヒーは、標高400〜800メートルで育てられます。
コーヒーは水はけの良い土壌で育ちます。
一方、水はけが良すぎて火山なのに温泉はでないそうです。
(ハワイで温泉に行きたい人もあまりいないでしょうけど…)
では、水はどこからとるか、というとハワイ島では地下水を使うそうです。
さて、車はホテルを出たあと、マウナケア山をめざし、順調に走っていきます。
その途中、キホロ湾というハワイ島西側の海沿いの道路に設置された
展望スペースでクジラを見ようと停車しました。
残念ながら私たちにはクジラは見えず。(ジンさんは発見ずみ)
でも、マウイ島がきれいに見えました。
右下、雲がかかっているなだらかな山のような景色が
海の向こうにあるマウイ島です。↓
そして、高級リゾート地、「ワイコロア」に向かいます。
ここは晴天率90パーセントで、ゴルフなどのリゾートを楽しむ
人が多いとか。ホテルもかなり高級らしいです。
ワイコロアでトイレ休憩をします。ここで、
高山に対応するように「ガム」とか「ハイチュウ」を
買うといいとジンさんがアドバイス。
その後車は、コハラ山脈に向かいます。
コハラ山脈はハワイ諸島を初めて統一した
カメハメハ大王の出身地だそうです。
さて、ハワイの火山の山容はなだらかな高原状です。
手前の黒い地面はすべて溶岩が固まったもの↓
楯状火山といって、マウナケア、マウナロアが
代表的なものですが、玄武岩でできていて粘りがない岩質なので、
そのような形になります。
溶岩は「もんじゃ焼き」のようにだらだらーと流れます。
一方、日本の火山は成層火山。安山岩でできていて、お好み焼きのように
やや粘り気が強い。そして、硫黄のにおいが特徴的です。
ところで、マウナケアの山の体積は富士山の57倍あるそうです。
いやー、規模がすごい。
【こぼれ話:日系人の活躍】
ハワイでは日系人が活躍していますが、有名なのが
日系人初の上院議員の「ダニエル井上氏」と宇宙飛行士「エリソン・オニヅカ氏」です。
井上氏は、日系人部隊にアメリカ人として参加・442部隊に属し、英雄として帰国。
カリフォルニアで弁護士、上院議員、有色人種への差別をなくす努力をしました。
ホノルル空港がダニエル・井上空港と命名されています。
そして、そしてハワイ島の空港は、エリソン・オニヅカ・コナ空港。
日系人初の宇宙飛行士でチャレンジャー号の事故で39歳で死亡。
ハワイ島の裕福なコーヒー園の長男として生まれ育つも
宇宙飛行士に憧れ、アメリカ本土で宇宙飛行士になります。
殉職しましたが、ハワイ島の人々に愛され、ハワイ島の空港の名前と
なっています。
そして、道路にも命名されている「ダニエル井上」ハイウェイに乗り、
一気に標高を上っていきます。
マウナロアの溶岩は黒く、まるで火星のよう
(火星にいったことはないけれど)です。
登るにつれ、だんだん寒くなってきます。
標高2800メートルにあるオニヅカセンターで持参したホッカイロの
袋を開けます。寒さ対策でもあり、iPhoneなどのバッテリー消耗対策です。
ここで酸素濃度は90%ぐらいになっています。晩ご飯を食べ、
1時間ほど休憩をとります。このようにして高地順応をするのです。
ホッカイロをここで開ける理由は、
これ以上酸素濃度が下がると
「酸化を利用した」ホッカイロがあったまらないからです。
また、ここで厚手の防寒パンツを貸し出ししてもらい、着用します。
ところで、オニヅカセンターには、羊が食べてしまう絶滅危惧種・銀剣草を
観察する場所があります。
羊は、固有種ではなく、人間が持ち込んだものです。
外来種持ち込み➡️絶滅危惧種、というのはよくあるパターンです…
夕食休憩のあと、
オニヅカセンターから、さらに上を目指します。
舗装されていないガタガタ道は3200メートルから3800メートルまで。
その場所は4輪駆動でないと通過できません。
舗装していない理由は、天文台のある地域に
大勢の人が容易に入って来れないようにするためです。
ここは、天文台中心に道が設計されているのです。
そして、私が1年近く憧れて止まなかった「すばる天文台」についに遭遇。
すばる天文台は、日本が400億円かけて作った
キャノンの望遠鏡を有する、この天文台群で1番立派な天文台です。
他の天文台と違い、茶筒型をしています。
記念写真も感慨深く、次こそ望遠鏡を見学したい、と思いました。
そしていよいよマウナケア山頂4205メートル。
ここで先にトイレを済ませます。とにかく寒いので
夕陽を待っている間に身体が冷えてしまうので、その予防です。
iPhoneもバッテリーチャージャーも電池の消耗が早いこと!
あらかじめ暖めておいたカイロ2つで必死で暖めます。
そして待つこと数十分…
ついに、太陽を掴みました!
日暮れになり、暗くなりかけて、
レンジャーが山を下りるように促しにきます。
そして、3600メートル地点で星の観測です。
三日月ですがかなり明るい。
それでも夜が更けるにつれ、暗くなってきます。
天体望遠鏡を用意してくれて三日月を見ると…
クレーターまでくっきり見えました!
次に星空を眺めながら星座の解説を聞きます。
いろいろ面白かったですが、
私の星座、牡牛座がちょうど見えていて、アルデバランや
昴を観察することができました。
ところで、昴(すばる)のなかで目立つ星は7つ(日本の自動車メーカーの
ロゴの形ですね)ありますが、実は120ほどの星が集まっているそうです。
ちなみに「すばる」という名は「全てを統べる」ということ
だそうです。自分の星座にこんな素晴らしい名前の星が
含まれていて、ちょっといい気分になりました。
月と星の灯りのなか、天の川を背景に写真を撮ってもらい、
山を下りました。
掴んだ夕陽、満点の星、大満足のツアーでした。
4. 申し込み、宿泊先等から集合場所への交通について
今回、友人が教えてくれたおかげで「マサシのネイチャースクール」に参加、
すばる天文台を見に行くことができ、
4000メートルの高さから夕陽を眺め、満点の星を見ることができました。
このツアーは
- 1人170ドル(+チップをお支払いしました。)。
現金またはトラベラーズチェック。クレジットカードは事前にご相談くださいね。
- ネットまたは電話で申し込むと、メールで連絡がきて集合場所のホテルを
教えてくれます。
- 集合場所は私たちのホテルからは少し離れていたので、(5キロぐらい)
島の移動に使う「トロリーバス」を活用(2ドル)、集合場所まで行きました。
帰りは夜遅いので、特にお願いして私たちのホテル近くで降ろしてもらいました。
そういうところも親切でありがたかったです。
- そして、その日撮っていただいた写真は、あとで無料で(パスワードを
教えてくれます)いただけます。
天の川を背景に写真を撮る、という体験は他ではなかなかできません。
ハワイ島に行かれたらおススメツアーです。
5. まとめ
ホノルルマラソンに参加を決めた時、
日本が誇る「すばる天文台」のことを思い出し、
ぜひ行きたいと思いました。
(でも、オアフ島と違う島にあるとは知らなかった…)
まあ、その程度だったのですが、
ハワイに行かれる方、オアフやマウイもいいですが、
こんな体験ができるハワイ島もおススメです。
チャンスがあれば、こんな旅もいかがでしょう。