コンクリート杭を復元せよ!危うく所有地を削り取られそうになった体験

私の実家(大阪市中央区)の裏手に長い間放置されていた空き地があります。

実際には放置ではなく、多分色々な計画が水面下で立てられていたのでしょうけれど、

まあ、草ぼうぼうの土地でした。

そこに民泊施設が建設される、ということになったときの話です。

工事はいきなり始まった!

裏手の土地と実家とは5メートルに渡り、境界を接しています。

なので、もし建築工事が始まるとなると、境界を確認したり、

「近隣のみなさまへ」などのご挨拶、あるいは敷地に「建築計画のお知らせ」の

看板が建てられる、と信じていました。

そうすることが普通だと信じていましたが…実はそうではなかったのです!

↓2019年7月20日の現地 何やら養生はしているけれど、建築計画の看板はない

工事は何のお知らせもなく、始まってしまったのです。

↓8月3日 すでに地面はコンクリートで固められていました!

え?何も聞いてないよ!

こわされていたコンクリート杭ー半年前の出来事

実は2019年2月22日、実家と隣家のマンション(上の写真では正面の建物)との境界確認作業を

マンションオーナーから依頼された測量士さんと私、そして母の3名で行いました。

その日は母の介護認定調査の日でした。認定調査は、直前に日が決まることが多いです。

なので、急遽東京から大阪に戻ることになり、

それ以前から隣のマンションのオーナーが手配した測量士さんから

境界確認を依頼されていたこともあって、早速

「2月22日なら大阪にいます」とお伝えし、

当方の日程にあわせて、実家にきていただきました。

写真のように、隣のマンション(写真奥の建物)と実家(写真右奥の建物)の境界を確定するためには、

(こんな狭い隙間でもはっきりしておかないといけない)↓

その空き地に入れてもらわないと

できないこともあり、測量士さんは手際よく、空き地のオーナーに連絡をしてくれていました。

境界画定当日、整地のためにその空き地にはブルドーザーが入って作業していました。

そして、

私、測量士さん、母は、そのブルドーザーが実家と隣家の所有土地との境界を示すコンクリート杭を壊した

ということを発見していたのです。

その時は、「壊したものだったら直すだろう」と、思っただけでした。

それでも測量士さんは、今回の境界確認には直接関係ないものの、職業柄でしょうか、

その壊された様子を写真に撮っていたのです。

母は杭が壊されたまま工事が始まるのではないか、そして

自分の土地が侵されるのではと、精神的におかしくなるくらい心配していました。

母のパニック

8月1日、工事は、本当に何の前触れもなく始まりました。

私がその日、夕方に電話をしたときには明らかにパニックに陥っていて、

「これはマズい!」と直感しました。

いずれ土地の所有者には連絡をしなければならない、と思っていましたが

これ以上放置できない状況をいきなり迎えてしまった!!

2月にお会いした測量士さんなら隣家の施主を知っているはず、と

「こんな時のために」持ち歩いていた測量士さんに電話をし、

施主さんの連絡先を聞きました。

翌日昼間、金曜日、電話をすると(私の帰省予定に合わせ)16日にご挨拶に伺います、と

言って電話を切りました。

ところが、土曜日の朝、心配で居ても立っても居られない母は、

なんと夜中に知り合いの建築屋さんを訪ねようと家を出て、昔住んでいた街、今もその建築屋さんが

住まいを構える場所の近所までタクシーを飛ばして行き、タクシーを降りてからフラフラ歩いているところを

警察に保護されたのです。街の様子が母の記憶からはすっかり変わっており、

知り合いの建築屋さんのところに

たどり着くことはできませんでした。単なる徘徊老人と思われてしまったようです。

私は警察から呼び出され、急遽大阪に帰りました。

施主に事情を聞く

母は知り合いの方が身元引き受け人になってくれて自宅に戻り、あまりに憔悴が激しいので

ショートステイに入れていただきました。

そして、私は母のパニックの原因となった相手ー施主さんーに連絡をし、また、

測量士さんにも「こういう場合はどうしたらいいか」と、意見を尋ねておきました。

どのような事情でいきなり工事が始まったのかについては謝られ、

二日後には測量士さん立ち会いのもと、隣地と現場検分をしました。

境界は冒されていた!

現場検分をすると、なんと母の不安があたっており、境界線を適当にして工事を始めたようで、

 

うちの土地ギリギリあるいははみ出て土留めを打っていたのです。

 

事前に工事の説明もなく、しかもはみ出ているなんて!

 

幸い相手の方もあこぎな方ではなさそうなのでもう一度測量士さん立ち会いのもと、

 

境界を確認して進めるということになりました。

 

建物が完全に建つ前でよかった。母のご乱心は、私を呼び出すためだったのか、

 

と思うと早く手を打ってあげておけばと悔やまれます。

 

こと都会の土地のこととなると、性善説よりは「仁義なき戦い」を信じた方が良さそうです。

 

写真右の建物が実家。建物から24センチ外側までがうちの土地です。

しかも、建築資材が(うちの土地の部分ー右の壁から24センチ分は実家の土地です)置かれ、

鉄の杭はどうやらうちの土地に入り込んでいるよう…

主張すべきは主張

工事が始まって10日ほどたった8月11日、最も暑い午後1時、実家の裏手に建設する建物の管理会社の方、

測量士さん、そして私が頼りにする弁護士さん(高校の後輩)四者立ち会いで境界確認をしました。

弁護士さんが具体的に指摘してくれたことは、

工事業者が実家の土地に入り込んで土留め(土が崩れないように作る壁)を打っていること、

建築用の資材をうちの土地にはみ出して置いていること、

で、「これは始末書もんです」とはっきり言ってくださいました。

 

私が文句を言わなければなし崩しに土地を削り取られていたように思います。

本当によかった。

母の尽力

思えば本当にラッキーな展開で、

今年の2月22日、母の介護認定調査に帰省した時に測量士さんとその空き地で協議をしていたこと、

その日たまたまブルドーザーが入っていて、コンクリート杭を壊した現場を

測量士さんと共に確認していたことが幸いしました。

測量士さんはプロなので、それをきちんと写真に撮り(その時は、本件とは直接関係がなかった)、

保存しておいてくれました。

そして、私がことの経緯をFacebookに書くと、あっという間に状況を理解して迅速に調査、

対応してくれ、

また現場に立ち会ってくださった弁護士さんにも感謝するしかありません。

まあ、弁護士さんに「まあ、(相手にとっては)大野さんとお母さんの2人だけなんで舐められてますな」

とはご指摘いただきましたが。

母が、今回はほとんど命がけで(ちょっと方向性は違いましたが)私に行動を促したのです。

母にも「境界の話はちゃんとしてくれたよ」と報告すると、ものすごく喜んでくれました。

母は、最近、「境界の話がまとまる」ということと、もう一つの「予言」をしています。

まあ、母の幻話かもしれませんが、なんか実現しそうな気がしてきました。

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この記事を書いた人

大野 清美

大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)