間違いだらけの給与計算:手取り額が大きく違っていたという件について

事件は突然に!

2020年4月、今年度から私は嘱託としてフルタイム勤務から週4日勤務に変更しました。

その分お給料が減るぞーと覚悟して始まった新年度…でも

コロナ感染症の影響で3月末から6月まで在宅勤務になりました。

 

緊急事態宣言も解けて、久しぶりに職場に行ったのが6月末のこと。

給与明細が机の上に3枚、無造作に置かれていました。

そうそう、そういえば給料、口座でしか見ていなかったんだった…

今年から週4日勤務になったから減っているのは確かなんだけど、

口座振り込み額を見る限りにおいては去年とあまり変わっていない。

社会保険料でも安くなったのかな?と疑問には思っていましたが…

 

明細を見て「あれ?」

なんだか多い…思ったより多い。

あ!フルタイムで働いていた昨年度の基本給がそのまま適用されています。

それが3ヶ月分!!

 

どひゃー!!!!!間違えている!

お給料が多いのは嬉しいのですがこれは明らかに間違っています。

人事課に早速連絡を取りました。

先方も間違いがあったことを認め7月分のお給料から、

払いすぎたぶんを差しひくとの答えがありました。

ひえー!!!

この段階で7月分のお給料はほぼ「ゼロ」になるかも、と予想しました。

そして恐れていたことが…

7月になり給料日にもらった明細を恐る恐る見ると,

なんと、ほとんど交通費オンリー。

まあ、仕方ないですね。3ヶ月、もとの基本給で

余分にもらっていましたから。

でも、なんか変。

確かに、多くもらった分は差し引かれていて、

基本給の合計は、4−7月分で修正前合計と修正後合計で同じなのですが、

本当にその計算、合ってるのかなあ。

なんとなく違和感が拭えなかったのです。

その正体がなんなのか、

そのときはわかりませんでした。

事態は急展開

私としては、どのような計算で7月分の支給金額になったか、「精算書」が欲しかったのですが、

4-6月分の基本給の払い込みすぎた分を

差し引いた後の金額のみが記載されていました。

「うーん」…

基本給減ったら社会保険料とか、いろいろ減らないのかなあ???

そんなある日、人事課から「60歳以上の厚生年金の被保険者が

継続して雇用される場合の社会保険料の標準報酬月額の特例」について

メールで案内が届きました。

以下のような内容です。

退職後再雇用された場合、再雇用された月から、再雇用後の給与に応じた標準報酬月額に改定できる

これの意味するところは、

たとえば私が3月まで450,000円の基本給をもらっており、「標準報酬月額」が

460,000円(標準報酬月額には交通費や残業代なども含まれるので基本給よりは

多くなる)だったとします。ちなみに、

標準報酬月額とは、4−6月の給与の平均値で、社会保険料(厚生年金、健康保険、介護保険の計算の基礎となる金額です。

4月からの私の基本給がたとえば、10万円減の350,000円、

標準報酬月額が360,000円になったとします。

通常、退職再雇用でない現役会社員の標準報酬月額の改定は

毎年7月1日に過去3ヶ月の報酬の平均額、

すなわち標準報酬月額に基づいて計算されます。

ところが、私は退職再雇用なので、上の特例を適用すると、

4月から標準報酬月額が少なくなり、それに応じて

5月から社会保険料も減額されるはずです。

(社会保険料はひと月遅れの支払い)

ところが、私の給与明細を見ると、4−6月の基本給は(間違えて)昨年度のままだったので、

7月分の給与(差し引かれてほとんどない。)から従来と変わらない金額の

社会保険料が差し引かれています。

そして、さらに恐ろしいことに、4−6月の基本給は前年度と同じになってしまっているので

7月1日現在の見直しで改定されて新しい金額が適用されるはずが、

9月以降も昨年並みの社会保険料と変わらない、ということになります。

 

これは大変だ!!

私の違和感の正体はこのことだったのです。

基本給の合計は4−7月で同じだけれど、

4月から正しいお給料で支払われていて、

かつ60歳以上の再雇用被保険者の特例を適用すれば

毎月控除される社会保険料はもっと安くなっていたはずなのです。

訂正をもとめる

給与計算についていままで人事課を信じていたので

間違えるはずがないと、のほほんと構えてきましたし、

仕事柄、現役時代は4−6月の残業が多く、無駄に(?)標準報酬月額を上げて

たくさんの社会保険料を支払ってきました。

定年以後は、残業も原則しないようにし、

それなりの暮らしと支出にしようと思っていました。

お給料が減った分、社会保険料も連動して少なくなるはず。

ところが、私がもらっている給与明細は、何から何まで間違っています。

そのことに気付き、人事課に4月に遡る給与計算の訂正と説明を求めました。

自分で給与計算をしてみる

今までの話をもとに、5ヶ月分(4−8月)の基本給の合計が同じでも、

4月に遡って正しい計算をした場合とでどれぐらいの違いがあるか、

実際にもらった給与明細をもとに

社会保険料、所得税、福利厚生組合費など、計算してみました。

給与計算なんて、複雑すぎて自分ではできない!と思っていましたが

自分でもできることがわかりました。

以下にシミュレーションの金額で計算をしてみました。

実際、これだけ違った!

基本給:100,000円減ったと仮定する

  • 2020年3月までの基本給:450,000円→標準報酬月額:460,000円
  • 2020年4月以降の基本給:350,000円→標準報酬月額:360,000円

ここで、なぜ標準報酬月額のほうが多いかというと、社会保険料の計算では、

各種手当て(たとえば、通勤手当、残業手当など)も「報酬」に含まれるので、

基本給よりは多くなるはずです。

控除される金額の計算(計算根拠)

社会保険料のうち、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料は、

標準報酬月額の等級によって決まります。

厚生年金保険料

勤務地の所在する場所の厚生年金保険料はこちらの表から取りました。

  • 標準報酬月額460,000円の場合:(厚生年金26等級):43,005円
  • 標準報酬月額360,000円の場合:(厚生年金22等級):32,940円

健康保険料

私の所属する健保は組合健保なので国保と少し料率が違うようです。

  • 標準報酬月額460,000円の場合:(29等級):19,740円
  • 標準報酬月額360,000円の場合:(25等級):15,120円

雇用保険料

報酬(基本給➕残業代などの各種手当て)✖️3/1000

会社の福利厚生組合費

報酬額(通勤費を除く)✖️1.5/1000。

ただし、細則により、最低金額300円と決められています。

所得税

簡易計算のページで算出しました。

実際の計算

以上の数値をもとに、今年度に入っていただいた4−8月分の給与総額を

訂正前、訂正後それぞれ計算しました。(ちょっと読むのは大変ですよね。

読み飛ばしてね)

支給総額(私がいただくお金の4−8月分合計)の計算

間違っていた計算(4−8月分人事課による計算方法を仮の数字に適用して算出)
  • 総報酬額:基本給➕450,000円✖️(4-6月の3ヶ月分)➕50,000円(貰いすぎた、月100,000円を差し引いた残り)➕350,000円(8月分基本給)➕(交通費60,000円)=1,810,000円
  • 社会保険料:(健康保険料19,740円➕介護保険料4,230円➕厚生年金保険料43,005円)✖️5ヶ月(4〜8月)分=334,875円
  • 雇用保険1350円✖️3ヶ月➕294円(基本給が50,000円と交通費48,000円から算出)➕1086円(是正された基本給に係る雇用保険料)=5,430円
  • 所得税:(15,050✖️3ヶ月➕0円(7月は課税対象額がマイナスになった!)➕7690円(是正された基本給に係る所得税)=52,840円
  • 住民税: 135,000円(昨年の収入による金額なので今年度の給与には関係なし)
  • 共済会会費:680円✖️3ヶ月➕300円➕530円(ここで共済会細則をよく読むと、最低月会費は300円とある。7月分基本給50,000円に料率(1.5/1000をかけると75円になるが、細則に従い300円徴収されてしまう。端数切り上げ)=2,870円

総報酬額1,810,000円から控除される金額の合計

(社会保険料334,875円➕雇用保険料5,430円➕所得税52,840円➕住民税135,000円➕共済会会費2,850円)

をマイナスすると、私の手元に残ったのは、1,278,985円です。

正しい計算(60歳以上の再雇用被保険者に係る標準報酬月額の特例を適用した場合)
  • 総報酬額:350,000円✖️5ヶ月➕通勤手当60,000円=1,810,000円(上と同じ)
  • 社会保険料:(健康保険料19,740円➕介護保険料4,230円➕厚生年金保険料43,005円)✖️1(4月分)+(健康保険料15,120円➕介護保険料3,420円➕厚生年金保険料32,940円)✖️4ヶ月(5-8月分)=272,895
  • 雇用保険料:(1,194円(正しい基本給と通勤手当を含んだ報酬による計算)➕1,050円✖️3ヶ月➕1,084円(正しい基本給とひとつき分の通勤手当の合計に係る金額)=5,430円
  • 所得税:7,690円➕8,250円✖️4ヶ月=40,690円
  • 住民税:135,000円(昨年の収入による金額なので今年度の給与には関係なし)
  • 共済会会費:530円✖️5ヶ月分=2,650円

総報酬額1,810,000円から控除される金額の合計

(社会保険料272,895円➕雇用保険料5,430円➕所得税40,690円➕住民税135,000円➕共済会会費2,650円)

をマイナスすると、私の手元に残るはずだったのは、1,353,345円です。

その差、実に74,360円になります。

社会保険料の計算の違いって大きいですね!

まとめ

ひと月の「攻防戦」??の結果、9月分のお給料で、

払いすぎていた社会保険料については返還していただきました。

厚生年金保険料は、今回のように「はらいすぎ」ても、

将来もらう分が増える、ともいえるらしいので私自身損をしているばかりとは

いえないかもしれませんが…

一方、健康保険料は掛け捨てだそうなので、5月以降から特例により

負担が減ったのはありがたいことなのです。

福利厚生組合費の細則の最低月額300円というのは見落としがちだったところです。

7月の報酬額が異常に少なく、料率でいうと100円未満の金額になるところが

細則により最低金額である300円が差し引かれてしまっていました。

小さな金額ではありますが、本人の間違いではなく差し引かれるのは合理的では

ありません。

それにしても、標準報酬月額決定の仕組みや特例について、

私が人事課に「基本給の間違いについて」指摘した

6月末時点で人事の方が誰も気づかなかったのはいただけないと感じました。

今後、社会保険事務所などへの訂正手続きなどもしないといけないでしょうし、

いろいろお手間をかけてはいますが、人事課にとってもいい経験になったのでは、

と思っています。

また、雇用主にとっても私に係る社会保険料負担が減りますから、

褒められてもいいんじゃないかな?

みなさんも給与明細を一度じっくり見て

自分がどれだけ社会保険料を払っているかということから

標準報酬月額はいくらに計算されているか、雇用保険料はいくら払っているか

所得税はいくら払っているかなど、

自分でも給与計算はできますので一度やってみてください。

 

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この記事を書いた人

大野 清美

大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)