母が要支援1を頂いて、行政のお世話になってから1年が経過しました。
この1年のサービスを振り返り、今度の審査の様子を書きます。
1. 「要支援1」で2016年6月から1年、母が受けたサービス
この1年、母は週に1度のデイサービスを利用。幸い通っている施設は外科病院ですので運動療法があり、また、そこの食事がとても美味しいとのことで、とても気に入っています。
このサービスを受け続けることができるかどうか、1年に1度、認定審査という「更新作業」があります。
介護サービスを受けることができるかどうか、遠距離介護をしている私には大事なことです。
行政のセーフティネットの中に母の存在が認知されていること、近くに頼れる人(ケアマネージャーさん)がいる、ということは母の安全、私の安心のもとです。
なので、昨年認定していただいた「要支援1」は、介護認定の中では一番軽いものでしたが、とてもありがたかったです。ケアマネージャーさんがいろいろ気にかけてくださって、母も本当に頼りにさせていただきました。
以下の写真は、身体の柔軟性を計るリハビリ計画のための測定
その認定審査ですが、最初に受けた時は「自立非該当」との結果だったのでその状態に戻ったらとても困るため、母の審査のために東京ー大阪をほぼ日帰りで行ってきました。
審査と結果について母のケースをお話します。
2.審査で聞かれること
審査は、認定審査員が家庭を訪問して行われます。
まずは動作や身体の機能確認から。
- 肩の動き、膝の動きの確認
- ベッドの起き上がりに支えがいるかどうかの質問
- 立ち上がった時に支えがいるかどうかの確認
- お風呂は1人で入れるか
- 爪切りは自分でできるか機能と生活の様子
- 目の前に審査員の指をチョキの形に出して見えているかどうか
- 耳の聞こえ
- 指の動き
生活の様子
- ご飯は自分で作っているか、調理器具は使えているか
- おかずはどうか
- 買い物の頻度
- 通院の様子(ひとりで行けるか)
- 服薬についての質問
- 歯は入れ歯かどうか
- トイレの回数
- 排便
- 尿パッドを使っているかどうか
認知機能
- 今日は何日?
- 生年月日?
- 書類等の読みこなしはできるか?
- 朝ご飯のおかずは何だったか?
以上のようなことを確認、質問されました。母は幸いだいたいのことができるのですが、耳はほとんど聞こえず、会話の成立が難しい、そして行政書類のようなものはほとんど理解できません(理解しようとしない)。読みこなし、平易な言葉に言い換えないといけないのでかなり不安です。
下は「調査票」です。写しをいただきました。
介護認定審査では、あまり「でき過ぎる」のも「非該当」になってしまうので、とても難しいところです。
でも、ごまかしやだましはしたくありません(実際、歩けるのに歩けないふりをしている人もいるという話を聞きました)。
私はありのままの母を見ていただいて「少しの支援があればまだまだ主体的な生活ができる」と判断していただく、そういうところを目指しています。
3. 主治医の意見
主治医の意見は介護認定審査ではとても重要だということを聞きました。
最初の審査で「自立・(介護)非該当」の判定をされたときは、医師がかなりスパルタな人で、母が何を聞いてもあまり詳しく説明もしてくれないタイプのお医者さんでした。
その後、その医師の方針にも疑問を感じ、医師を変更。新しいお医者さんは少なくとも母のいうことはよく聞いてくれる方で、認定審査の意見もおそらく「現状をほぼ正確に」伝えていただいているのではないか、と思っています。
実際の内容は私は医師ではないのでわかりませんが、お医者さんで認定審査に関わっている方に聞いてみたいものだと思っています。
4. まとめ:結果通知は3週間後に
5月31日の審査後、ほぼ3週間後の6月17日(土曜日)、実家のポストに結果通知が投函されていました。
昨年と同じ「要支援1」
家族としては、支援の度合いが同じで母も1年頑張った、ということと、支援を続けていただけるということが確認でき、とても安心しました。
要支援1の内容は以下の通りです。
要支援1、2は「より自立度を高めるためのサービス」です。たとえば、
- 訪問型サービスでは、「調理や掃除」の援助をサービス提供者と一緒におこなう。
- 通所型サービスでは、「リハビリ」「栄養改善」「入浴」などの支援を受けることができる。
といった内容です。
母は大阪市なので、大阪市では要支援1で受けられるサービスは5003単位*、55700円程度のサービスを5570円の自己負担で受けることができるのです。
*介護保険では、介護サービスにかかる費用(介護報酬)や支給限度額は、全国一律で決められています。しかし、都市によって物価や人件費に違いがあるため、介護報酬や支給限度額は“円”ではなく“単位”と表示されます。(みんなの介護より)
これから1年、特別なこと(病気など)がなければまたサービスを受けることができます。
また、自費になりますが、病院の付き添いなども前もって依頼すればお願いすることができます。
昨年秋に2度お願いし、本当に助かりました。
ところで、介護保険制度は2000年4月に始まりました。
それから17年、税収が思うように増えない中、受益者が増えているので制度としてはかなり負担が大きいと思いますが、とてもありがたい制度です。これからも制度を利用させていただき、母が自立して生きていけるように願っています。
参考のため、「みんなの介護」より以下の表を引用させていただきました。要介護認定区分の目安は次の表のようになっています。
要支援1 | 生活の中で、身の回りの世話の一部に手助けが必要な状態。掃除など、立ち上がり時になんらかの支えを必要とする時がある。排泄や食事は、ほとんど自分でできる、など。 | 在宅の介護予防サービスを利用することができます。 |
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要支援2 | 要支援1の状態から能力が低下し、日常生活動で何らかの支援又は部分的な介護が必要となる状態、など。 | |
要介護1 | ・みだしなみや掃除などの身の回りの世話に、手助けが必要。立ち上がり、歩行、移動の動作に支えが必要とするときがある。 ・排泄や食事はほとんど自分でできる。問題行動や理解の低下がみられることがある、など。 ・日用生活は、ほぼ1人でできる。 | 在宅と施設、それぞれの介護サービスを利用することができます。 |
要介護2 | ・みだしなみや掃除など身の回りの世話の全般に助けが必要。立ち上がりや歩行、移動になんらかの支えが必要。 ・排泄や食事に見守りや手助けが必要なときがある。問題行動や理解の低下がみられることがある、など。 ・日常生活のなかの動作に、部分的に介護が必要。 | |
要介護3 | ・みだしなみや掃除など身の回りの世話、立ち上がりなどの動作がひとりでできない。歩行や移動など、ひとりできないことがある。 ・排泄が自分でできない。いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがある、など。 ・日常生活の動作の中で、ほぼ全面的に介護が必要。 | |
要介護4 | ・みだしなみや掃除など、立ち上がり、歩行などがほとんどできない。 ・排泄がほとんどできない。多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある、など。 ・介護なしでは日常生活が困難。 | |
要介護5 | ・みだしなみや掃除など、立ち上がり、歩行や排せつ、食事がほとんどできない。 ・多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。ほぼ寝たきりの状態に近い、など。 ・介護なしでは日常生活が送れない。 |