名古屋ウィメンズマラソンは、フラットなコース設計、豊富なトイレ、おしゃれ感満載で男性の応援が多く、ゴールで「ティファニー」が待っている超楽しいレース!

不安感満載のレース直前

2016年3月16日、名古屋ウィメンズマラソンに参加しました。

今シーズンのマラソン挑戦は2回目。昨年あたりからは、秋に1回、シーズン終わりに1回ぐらいのペースです。どこまで続けられるか、出来る限り頑張っていきたいと思っています。

2015年11月の第一回金沢マラソンでは雨に降られ、五十肩の痛みと口内炎のせいで今から思うと満身創痍でマラソンに臨んでいたわけですが、その時は、まあ、こんなときもあると思っていました。

実はその後も口内炎はなかなか治らず、結局1月半ばまで苦しむ結果となってしまい(なんと3ヶ月続いた)、五十肩に至ってはいまだ腕はまともに上がりません。

金沢マラソン以後、記録も悪かったし、とにかく口内の痛みが不快でほぼ1月半、まったく走りませんでした。お正月にオーストラリアに旅行に行き、暖かい(暑い)気候に助けられ、せっかくのシドニーの街を「お正月・旅ラン」せずにはもったいない、ということでやっと走り始め、やっと練習を再開できたのです。結果、12月は走行ゼロ。

なんとか再開したものの1月の走行距離は80キロ。2月は110キロ。フルマラソンを走るには、だいたいレース前1ヶ月は200キロが最低の目安です。

不調に終わった金沢マラソンの時でさえ、9月に120キロ、10月に152キロ走っていました。これまでの5回のフルマラソン前の練習量としては過去最低です。

年明けには2月7日に赤羽30キロという大会にエントリーしていましたが、とても走れる気がせず、初めてのDNS(Did Not Start:棄権)を経験しました。

骨ストレッチランニングとの出会い

ただ、何も対応していなかったわけではなく、友人が書評を書いていた以下の本を読み、なんとか楽に走れないか、と考えて「ランニング教室」に行ってみたりしていました。

骨ストレッチランニング

教室には1度行っただけで、実はまだほとんどマスターしていないのですが、ただ1つ、すごく重要な気づきを得たので、それが今回の支えになりました。それは…

マラソンのフォームというと、「腰高」「骨盤前傾」「着地は爪先から」と、よく言われます。しかし、この本の著者、松村卓先生は、「全盛期のQちゃんの走り」、つまり、「でんでん太鼓のように両脇を締めて肘から先の腕を左右に揺らすように動かす」走り方がいいと書いています。体幹筋肉、骨をうまく使う走り方です。

腕の振りはともかく、私は様々なマラソンの本を読んで、骨盤前傾を意識して走ろうとしていました。その方が前にぐんぐん進む感じで格好がいいし、フォームさえよくなれば早くなる、と信じていたからです。でも、できないのです。意識すればするほどフォームというか身体は固くなりますし、力が入り、疲れます。

教室で松村さんは、「今日から(足の)中指が主役です。親指、人差し指はブレーキのために使う指です。そこに力を入れるのではありません。中指を主役にして、足を前に出してください」と教えてくれました。

そう、もう腰高とか、骨盤前傾、とか、爪先から着地する、とかいっさい考えなくていいのです。

中指を主役にする

それだけを覚え、それだけを考えることにしました。フォームの呪縛から解き放たれたのです。

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最高のコンディション

いつものように前日はできるだけ「歩かない」「走らない」ようにして過ごしました。幸いブログを書く宿題があったので、午前2本、午後2本と、普段の生活とは違う静かな1日をすごすことができました。動いたのは、お昼にコメダ珈琲に小倉トーストを食べにいった時、そして夕食に「ひつまぶし」を食べにいったときだけです。

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当日、朝の気温はまだ低く(6度ぐらい)、ナゴヤドームについてからスタートまではずっと外で待機でした。カイロをランニングパンツの両方のポケットに入れていましたが、スタート直前に、冷え性の私は歯の根が噛み合ないほど身体が冷えてしまっていました。

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全員で行うストレッチ体操もありましたが、単なるストレッチは筋肉を引っ張り、逆にそれが収縮することで身体がだるくなる、というのが「骨ストレッチ」の松村さんの主張だったので、自分はひたすら身体を緩めるように身体をクネクネ動かしていました。また、余計な力を使ってエネルギーを消耗したくなかったのです。

ようやくスタートの号砲が鳴り、スタートラインを踏んだのは先頭がスタートしてから10分後。スタート後、とにかくあまりペースを上げないようにしようと思いました。とにかく、キロ7分で最初から最後までいければ5時間で走れる、それでいい、と思っていました。

普段、キロ6分半が自分の巡航速度です。だから、飛ばしすぎなければ何とかなるかな、と思って気を楽にして走り始めました。もちろん、走る足は「中指が主役」で前に進みます。

スタートしてからは幸い身体は温まり、しかも天候は曇り。暑くもなりません。

名古屋ウィメンズマラソンのコースの良さは、折り返しが多いために、トップ選手の走りを対面で見られることです。自分が8キロ走る頃には、反対車線の15キロ地点を高速で走り抜けるトップ選手を見ることができました。美しいフォーム。でも、骨盤前傾は欧米選手、アフリカの選手の走り方です。体型がもとからそうなっているのです。少なくとも私の年代に自然とそうなるひとはあまりいません。

10キロ付近でいったんトイレ。朝、たっぷり1時間は寒い中を立ちん坊したので、どこかで1度は行かなければ40キロはもちません。トイレも女性の誘導員さんがうまく誘導してくださったのでスムーズに行くことができました。

18キロ付近では、シティマラソン参加者のトップランナー(ハーフ)が、すごい勢いでまるで短距離選手のように後ろから駆け抜けていきました。こうした光景もまた、面白いものです。

一瞬、振り向いて撮ったシティマラソンハーフのトップ選手の走り。シティマラソンは、ハーフと10キロ走があるようです。(同じ日に同じコースで開催)

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30キロぐらいまではキロ6分半ぐらいで順調に進むことができました。通常、24キロすぎから32キロぐらいまでが自分にとって一番ツラいところです。そこをすぎるとあと10キロ。いつも朝練とか、皇居で走っている距離です。

速度はその後かなり落ちてキロ7分を越えてしまっていますが、ここで焦ってもなんにもなりません。とにかく淡々と走ること。「つらい」とか「苦しい」とか考えず、とにかくゴールしたら「イケメンからティファニーもらう」ということばかりを楽しみに走り続けました。

「ティファニーもらわずに帰れるか」というプラカードを何度か見かけました。その度に「そうよねー、絶対もらわないと」と、元気が出ました。

たいした物欲であります。

いつも実家の大阪に戻る時、一緒に走ってくれる高校の同級生、左谷くんが35キロ付近で応援するよ、とメッセージをくれていたので30キロすぎからは応援を楽しみに走りました。

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もう、この頃は完走を確信していました。あとは、足が痛くならないよう、無理をしないように、一歩進めばゴールに一歩近づく、元気、元気と心で繰り返しながら走りました。

40キロをすぎると、もう笑顔、笑顔です。「あとは歩いてでもゴールできる」距離です。

時間はあまり気にしていませんでしたが、どうやら久しぶりに5時間を切れる、という見通しが立っていました。スタートが9時10分、トップから10分遅れでスタートしているので14時20分までにゴールすれば5時間切り。その時間が迫っていました。

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そして、笑顔でゴール!イケメンは本当に待っていました!!

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4時間56分39秒。久々の5時間切りです。嬉しい。年齢とともに体力も落ち、もう5時間は切れないのではないかと思っていました。でも、今回は口内炎も治り(おかげで補給されるバナナを食べることができました。金沢ではレース中、固形物はいっさい口にできませんでした)、痛かった右肩もかなりマシになっています。練習時間こそ少なかったけど、実はスピード練習も入れたりして、負荷をかけることをしていたので、多少なりともその効果が出たようです。

また来シーズンに向けて、今度はもっと「骨ストレッチランニング」をマスターして、楽に楽しく走れるようになりたいと考えています。一般的な美しいフォームの呪縛からの解放、今回の成果はこれに尽きます。本当に名古屋ウィメンズは楽しく走れました。

だけど、しばらくは厳しい練習はお休みです。ほっ。

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この記事を書いた人

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大野 清美

1958年大阪生まれ、大阪育ち。子どもの頃の夢だった「留学したい」を37歳で実現。3児を育てながら米国NY州コロンビア大学国際関係学大学院を卒業しました。帰国後は英語を使って仕事を続け、今後は「自分の人生を変えてきた」英語を教えたい!と修行中です。
趣味はマラソンとモーターバイクでのツーリング(愛車Honda VTR)です。
(2019年4月記)