「一人暮らししたい」と思う主婦は少なくありません。59歳で家を出た私が、決断の理由・家族の反応・4年間で起きた変化を実体験からお伝えします。
「一人暮らししたい」主婦へ。59歳で家を出た私が4年間で得たもの
「一人暮らししたい」
主婦なのに、家族がいるのに、そんなことを考えてしまう自分に戸惑っていませんか。
わがままなんじゃないか。家族を見捨てるみたいで後ろめたい。そもそもお金は?周りになんて説明すればいいの?
私も59歳のとき、まったく同じところで立ち止まっていました。そして2017年、夫とも喧嘩したわけではないのに、突然不動産屋さんに飛び込み、平日だけ家を出て一人暮らしを始めました。週末は家族のもとに帰る、という暮らしを、そこから約4年間続けました。
この記事では、私がなぜ「一人暮らししたい」と思うに至ったのか、決断したときに家族はどう反応したのか、そして4年間で私と家族に何が起きたのかをまとめます。読み終える頃には、あなたの「一人暮らししたい」がわがままでも逃避でもなく、ちゃんと理由のある気持ちだと分かってもらえるはずです。
私が「一人暮らししたい」と思った本当の理由
一人暮らしを決めた理由は、あとから振り返ると3つありました。どれも「家族が嫌になった」わけではなく、むしろ「このままだと自分がすり減る」という焦りからでした。
**理由1:自分の時間と場所がどこにもなくなった**
もともと通勤電車の中が、資格試験の勉強や物書きができる唯一の「一人時間」でした。ところが路線がつながって座れなくなり、娘の異動で朝のわずかな一人時間も減り、優しい夫が毎朝「同伴出勤」してくれることさえ、実は気を遣う時間になっていました。夜は夫の帰宅が私の寝入りばなと重なり、睡眠負債もどんどん溜まっていきました。1日のどこにも、心から一人になれる隙間がなくなっていたのです。(詳しくは[主婦をやめて一人暮らしを始めました(1) 「勉強部屋がなくなった!」編]へ)
**理由2:家事の「当事者」であることに疲れた**
大人4人分の家事は、通勤時間が一番長い私の仕事になっていました。家族は「手伝って」はくれるけれど、あくまで「やる義務はないけどやってあげる」立場。散らかったテーブルが気になるのも、家族の健康が気になるのも、当事者である私だけ。乳がんの手術から退院した日、洗濯物の山を見て「気にしているのは私だけなんだ」と気づいたことも大きな転機でした。(詳しくは[主婦をやめて一人暮らしを始めました(2) そのわけは?「気になる気になる」編]へ)
**理由3:やりたいことが溢れて、行き場がなかった**
ブログをちゃんと書きたい、英語で発信したい、規則正しく眠りたい、スタンディングデスクや音声入力を試したい、語学の練習を声に出してしたい、マラソンの練習時間が欲しい、瞑想もしたい……。家の中には、私がやりたいことのための「時間」も「空間」も、どちらもありませんでした。(詳しくは[主婦をやめて一人暮らしを始めました(3) そのわけは?「やりたいことがあふれてしまった!」編]へ)
3つに共通していたのは、「家族が嫌い」ではなく「自分のための間(時間・空間)が家のどこにもない」という一点でした。もし今、あなたの「一人暮らししたい」もこれに近いなら、それはわがままではなく、限界のサインだと思います。
決断を伝えたとき、家族の反応は?
いちばん気になるのはここだと思います。私の場合、夫には事前相談なしに不動産屋さんへ申し込んでから話しました。「通勤がつらいのだ」と伝えると、夫の反応は「へえ、そうなの?」という、拍子抜けするほどあっさりしたもの。同居の娘たちは「別荘できたの?かっこいー」、離れて暮らす長女は「別荘もつんだって?」とメールが来ただけ。むしろ動揺していたのは私の方だったかもしれません。
職場の女性上司には「ご主人と何かあったんじゃ」と心配されましたが、事情を話すと「私も行きたーい」に変わり、友人たちには「面白いことするね」「基地ができていくの楽しみ」と、心配より好奇心の反応の方が多かったのです。(詳しくは[主婦をやめて一人暮らしを始めました(4) そのわけは?「周りの反応」編]へ)
もちろん家族構成や関係性はそれぞれです。でも「一人暮らししたい」と口にしたら家族が壊れる、と思い込みすぎなくていい、というのは、経験者として伝えられることです。
4年間で、私と家族に何が起きたか
平日だけの一人暮らしを続けるうち、2人の娘はそれぞれ相手を見つけて家を出て、残った夫はいつのまにか「私専用のシェフ」になっていました。家事の当事者が私一人でなくなった、というのが一番大きな変化です。
私自身は、ずっと書きたかったブログを書き、英語のブラッシュアップを続け、マラソンでは自己ベストを更新し続けました。この体験は後に『「やめ主婦」はじめました!』という本になり、経済評論家の勝間和代さんがYahoo!ニュースの記事の中で取り上げてくださり、50代以降の主婦にも「一度家庭の主婦という立場から離れてみる」という選択肢をすすめてくださいました。(詳しくは[主婦をやめて一人暮らしはじめました(100) 勝間和代さんのヤフーニュースにとりあげていただきました!]へ)
そして2021年、コロナ禍で在宅勤務が普及し、職場の近くに住む必要性そのものがなくなったタイミングで、私は一人暮らしを「卒業」し、また家族と暮らす生活に戻りました。一人暮らしは、家族を捨てる選択ではなく、家族との距離を一度調整して、ちょうどいい形に戻すための期間限定の選択だった、と今は思っています。
「一人暮らししたい」と思ったあなたへ
一人暮らししたい主婦、という気持ちは、離婚したいとか家族が嫌いということとは、実はあまり関係がありません。私の場合は、自分の時間・場所・やりたいことという3つが、家の中で完全に枯渇したことがきっかけでした。そして、思い切って距離を置いてみたことで、家族もそれぞれ自立し、私自身もやりたかったことに手をつけられ、結果として家族関係も良くなりました。
もちろん、住まいの探し方、生活費のやりくり、子どもが小さい場合の考え方など、状況によって答えは変わります。それでも「一人暮らししたい」と思った時点で、あなたはもう十分に頑張ってきた証拠だと、私は思います。
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この記事は、私が59歳で家を出てから今までを綴ってきた「やめ主婦シリーズ」(100本以上)の入口です。決断の経緯だけでなく、部屋探しなどの実務編、日々の暮らしぶり、家族との関係の変化まで、続きは以下のカテゴリページから読み進めていただけます。
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アイキャッチ画像は、憧れだったスタンでデスク(自作)と、Macintoshの21インチサイズ
最初の部屋はロフトのある部屋だった。

ロフトからみたお部屋。わずか17平方メートルだったけれど、私にとっては最高の居場所だった。
